デザインインフォメーション

2012.11.26

 

タピオ・ヴィルッカラ「ウルティマ・テューレ 2332/2052」

1968年 イッタラ社製

フィンランド国立ガラス美術館蔵

 

 

「生活の中に美」をもたらしながら進化し続け

近年はアート・ガラスとしての志向が強まる

 

第二次世界大戦後の1950年代、フィンランドのガラス製品は黄金期を迎える。カイ・フランクや、タピオ・ヴィルッカラなどのデザイナーが目覚ましい活躍を遂げる。ガラスの透明性を活かした上質な素材と、みずみずしい感性によるデザイン性で、フィンランドのガラス製品は国際的にも高く評価されていく。

 

その後20年間は、視覚的に美しく、生活に寄り添ったフィンランドのガラス製品はモダン・デザイン界を先導していく。しかし1970年代に入ると、製品化するデザインより、個人デザイナーとしての活動が目立ちはじめ、日用品としての美しさより、むしろアート・ガラスへの志向がうかがえるようになってくる。

 

たとえばオイヴァ・トイッカの鳥をモチーフにしたオブジェや、ティモ・サルパネヴァのアート的な表情をもつガラス器などが登場することで、フィンランドのガラス製品は転換期を迎える。時代ごとに変化をしているが、継続的に生産されるガラス製品とアート性の両側面をバランスよく保ち続けるということが、フィンランドのガラスの魅力にもなっている。

 

このようなフィンランドのガラス製品の歴史を18世紀後半から現在までを、150件の作品でたどった今回の企画展。変化の激しい現代社会で、一貫して「生活の中に美」をもたらしながら進化し続けているフィンランド・デザインの美しさに、あらためて触れてみてはいかがだろうか。

*作品撮影:ティモ・シルヤネン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイモ・オッコリン「睡蓮」

(1960年、リーヒマキ社製)

フィンランド国立ガラス美術館蔵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タピオ・ヴィルッカラ「カンタレッリ(アンズタケ) 3280」

(1947年、イッタラ社製) 個人蔵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オイヴァ・トイッカ 「オアシス」

(1988年、ヌータヤルヴィ社製)

フィンランド国立ガラス美術館蔵

 

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森と湖の国 フィンランド・デザイン展

会場:サントリー美術館

東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア館3階

電話:03-3479-8600

会期:~2013年1月20日(日)

開館時間:10:00~18:00(金・土は10:00~20:00)

※2012年12月23日(日・祝)、2013年1月13日(日)は20時まで開館

2012年12月28日(金)、29日(土)は年末のため18時で閉館

休館日:毎週火曜日、年末年始[12月30日(日) – 1月1日(火)]

入館料:一般1300円 、大学・高校生1000円、中学生以下無料

http://suntory.jp/SMA/

 

 

 

 

 

 

 

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