デザインインフォメーション

2012.11.26

スカンジナビアのガラスデザインの美
「森と湖の国
フィンランド・デザイン」展

伝統的なクラフトマンシップを大切にして、時代を超えた飽きのこないデザインで、世界的に人気を集めているフィンランドのガラス製品。機能性を重視しながらもシンプルながら洗練されたデザインは、生活の中に美をもたらしてくれる。そうしたフィンランドならではのガラスデザインの美しさにスポットをあてた企画展が開催されている。

 

 

フィンランド・デザインを代表するガラス製品が

世界中に美をもたらしてくれる

 

フィンランドのガラス製品は、1681年に最初のガラス工房ができたとされ、この頃から機能的でシンプルな日用品としてのガラス製品が登場している。本格化したのは18世紀になってからのことで、当時のヨーロッパの影響を受けながらさまざまなスタイルのガラス製品が作られるようになった。

 

しかし、19世紀末から20世紀初頭にかけて、本来のフィンランド文化に基づいたデザインを追求するように変化。単なる装飾的なものではなく、革新的なスカンジナビアデザインを取り入れることで、モダニズムと機能主義による新しい価値観でガラスデザインが成長する時代を迎える。

 

1930年代にはフィンランドのガラス製品が大きく躍進。テーブルウェア・ブランド「イッタラ」に象徴されるように、モダニズムの草分け的存在のアルヴァル&アイノ・アールト夫妻やカイ・フランクたちの活躍である。

 

アルヴァル&アイノ・アールト夫妻が提唱する、「デザインとは本質的であり、創造性、美術性、機能性をあるとともに、誰にでも手に入れられるものであるべき」という考え方が実践される。「より美しく、デザインされた日用品」を求める価値観が生まれ、広く普及していくことになる。アルヴァル&アイノ・アールト夫妻の普遍的なデザインは、現在も変わらずに製品化され続け、フィンランド・デザインを代表するものとして世界中に美をもたらしてくれている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルヴァル・アールト 「アールトの花瓶 9750」

(1937年、カルフラ社製) 個人蔵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グンネル・ニューマン「ファセット I、T/76、1958: 6838」

(1941年、リーヒマキ社製)

フィンランド国立ガラス美術館蔵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カイ・フランク 「ヤマシギ KF224」

(1953年、ヌータヤルヴィ社製)

フィンランド国立ガラス美術館蔵

 

 

 

 

 

 

 

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