デザインインフォメーション

無題(『ロミオとジュリエット』) 1981-1984年
30.5 x 40.6 cm ペン・インク・マーカー・色鉛筆・紙

無題(ナンバー・シリーズ #6) 1982年
27.9 x 38.1 cm ペン・インク・マーカー・紙
ティム・バートンの多様な作品に共通するのは
純粋な「創造する喜び」から生み出されていること
『ティム・バートンの世界』には、年代も体裁も多彩な作品群が、テーマ、モチーフ、プロジェクトという軸で切り分けられ、展示されている。
その数、約500点、学生時代のスケッチから近年の作品まで、作品として世に送り出されたものからホテルの客室に備え付けられたメモ帳やカフェの紙ナプキンに描き留められたものまで、ティム・バートンの創作活動を網羅している。
なかでも興味深かったのは「ポラロイド」のセクションだ。1992年から1999年にかけてティム・バートンが20×24インチの大判インスタントカメラで撮影した作品群である。
セクションの説明には“監督業という「本業」の息抜きとして撮影されたもの”と書かれていたが、とても息を抜いているとは思えない完成度の高さに驚いた。相当な時間と労力をかけて制作されたことが一目でわかる。色彩にも構図にもライティングにもモチーフにも、妥協の痕跡はいっさい見られないのである。
ビジュアルで表現することはティム・バートンにとって根源的な欲求なのだろう。展示されているティム・バートンのすべての作品から一貫して感じられたのは「創造する喜び」だ。
作品として世に送り出された映画やアニメーションはもちろん、カフェで「落書き」した紙ナプキンからも、緻密に計算をしながら「息抜き」に撮影した写真からも、わくわくする気持ちが伝わってきた。
2015年1月23日には、ティム・バートン監督の新作映画『ビッグ・アイズ』の公開も控えている。映画を観る前に、ティム・バートンがこれまでに生み出してきた創作世界のすべてを体感してみてはいかがだろう。
新年1月4日までの開催。会期中は無休なので、年末年始でも「ティム・バートンの世界」に触れることができる。
(文・久保加緒里)

無題(『オイスターボーイの憂鬱な死』) 1997年
15.9 x 23.5cm ペン・インク・修正液・紙
無題(ごちそうはクリスマスツリー) 1999-2001年頃 43.2 x 35.6 cm アクリル・油彩・パステル・紙

無題(『ステインボーイ』) 2000年
22.9 x 30.5 cm ペン・インク・マーカー・水彩・色鉛筆・紙
無題(墓ずきんちゃん) 1981年
27.9 x 39.4cm ペン・インク・マーカー・色鉛筆・紙

『ステインボーイ』ジオラマ 2009年
101.6 x 111.8 x 71.8cm 木・塗料・カラ―ブラスト12(照明)電源・ウレタン樹脂・アクリルカーペット・タール屋根・クリスマスライト・クリスマス装飾用ボール・ワイヤー保護用ポリフィルム・スチール・アクリル樹脂
無題(不自然誌:ひまわり) 1994年
82.6 x 56.2 cm ポラロイド

これまでに生み出されてきた創作世界のすべてを体感できる『ティム・バートンの世界』。1月4日までの開催なのであとわずか。無休なので年末年始でも楽しめる。
All Images (C)2014 Tim Burton

ティム・バートンの世界
会期:開催中~ 2015年1月4日(日)
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
開館時間:11:00-22:00(土日祝は23:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日:期間中無休
入場料:一般1800円/高校生・大学生1300円/子ども(4歳~中学生)800円
*各種割引についてはウェブサイトを参照
住所:東京都港区六本木6-10-1
電話:0570-063-050(ローソンチケット)※10:00~20:00