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2014.08.04
橋本トモコ 展示風景 撮影:木奥惠三

橋本トモコ 展示風景 撮影:木奥惠三

 

 

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橋本トモコ《ひらめきは舞い降りる》

2003年

初期の《ひらめきは舞い降りる》から新作まで、これまでまとめて見る機会のなかった作家の新旧代表作に触れることができる。

 

 

ワクワク、キラキラ、ピカピカ。

こどもたちの驚きと発見は一生の宝物

 

訪れたのが日曜日だったこともあって、どの展示室も、こどもたちの笑顔と楽しそうな声で満たされていた。

 

武藤さんの作品と並んで印象的だったのは、光と影で赤ちゃんや小さなこどもの視覚世界を探求したクワクボリョウタさんの作品だ。

 

光の電車が壁に映し出す「影の街」を旅する。列車が進むと、影を見つめていた女の子が「あ、トンネルに入っちゃう!」と嬌声をあげる。男の子が「もういちど見たくなっちゃうね」と声をはずませてお父さんに話しかける。

 

影の街の旅人になったこどもたちは、それぞれにストーリーを編み出して、お父さんやお母さん、おじいちゃん、おばあちゃんにキラキラした声で語りかける。その様子は、微笑ましくもあり、想像の世界の豊かさにハッとさせられたりもする。

 

『ワンダフル ワールド』の世界を楽しむこどもたちが「美術展」であると理解しているかどうかはわからない。しかし、それでいいのではないか、と思う。アートは知識で理解するものではなく、五感で感じ、楽しむものなのだ。

 

アートという認識がなかったとしても、こどもたちがこの展示を通じて想像の翼を広げた経験は、生涯の宝物になるのではないか。2014年の夏休み、お子さんと一緒にアートに触れる一日を、ぜひ『ワンダフル ワールド』で過ごしてほしい。

 

(文・久保加緒里)

 

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クワクボリョウタ

《10番目の感傷(点・線・面)》 2010年

上写真提供:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]

上下とも撮影:木奥惠三

小さなこどもの視界世界を探求したインスタレーション《10番目の感傷(点・線・面)》や赤ちゃんの視界世界を探求した新作を出品。

 

 

 

ワンダフル ワールド

こどものワクワク、いっしょにたのしもう

みる・はなす、そして発見!の美術展

 

会期:2014年7月12日(土)~ 2014年8月31日(日)

会場:東京都現代美術館

開館時間:10:00-18:00(入場は17:30まで。会期中の金曜日は21:00まで)

休館日:月曜日

入場料:一般1000円/大学生・専門学校生・65歳以上800円/中高生500円/小学生以下無料(保護者の同伴が必要)

*各種割引についてはウェブサイトを参照

住所:東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)

電話:03-5245-4111(代表) / 03-5777-8600(ハローダイヤル)

http://www.mot-art-museum.jp

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