デザインインフォメーション
「ゲルダ・タロー 」フランス、パリ 1936 年 International Center of Photography 蔵
(C) International Center of Photography / Magnum Photos
キャパが結婚を望んだ女性だったと言われる恋人ゲルダ・タロー。ベッドで眠るゲルダを写した写真は日本初公開。キャパとの出会いから3年後の1937年、ゲルダはスペイン内戦を撮影中、戦車に衝突されて死亡した。
人を愛し、人に愛されたキャパが
一葉の写真に込め続けた想い
キャパの写真を観るたびに思うことがある。「この人は、本当に人間が好きだったんだな」。撮影者本人が被写体に魅力を感じているからこそ、被写体が活き活きと写し出され、観る者の心をグッと掴む。
活き活きとした表情の被写体たちは、いまにも動き出しそうな気配を漂わせている。写真から伝わってくるのは、人々の哀しみや憎しみ、悲壮感や絶望、焦り、惧れや不安、緊張感、喜びと愉しみ、思慕、開放感ややすらぎ、期待感、そしてユーモア。半世紀以上を経た現在でも、しっかりとした熱を持って訴えかけてくる力がある。
作品から感じられる躍動感は、撮影者と被写体との物理的な距離も反映されているように思う。望遠レンズなどなかった当時、キャパと被写体との距離はおそらく想像以上に近かったはずだ。被写体の気配や息吹を感じ、シャッターを切るうちに被写体とシンクロしていったこともあったかもしれない。
命をかけて時代を記録し続けた報道写真家、ロバート・キャパ。
キャパは何を求めて戦地に赴き、何を思ってシャッターを切り続けたのだろう。被写体を通じて、彼自身をネガに焼き付けていたのかもしれないと、わたしは思う。
101年目のロバート・キャパ。あなたはキャパの写真から、何を感じ取るだろうか。
(文・久保加緒里)
ツール・ド・フランスのレースを見物する人びと
フランス、ブルターニュ 1939 年7 月 東京富士美術館蔵
(C) International Center of Photography / Magnum Photos
展覧会場は年代や時代にとらわれず、章ごとに設定した独自のテーマに基づいて構成されている。
ボブの愛称で親しまれたロバート・キャパ。「伝説のカメラマン」から等身大の人間キャパを知ることができる。
101年目のロバート・キャパ-誰もがボブに憧れた
会期:2014年3月22日(土)~ 2014年5月11日(日) 45日間
会場:東京都写真美術館 地下1階展示室
開館時間:10:00-18:00
(木、金曜日は20:00まで。入館は閉館30分前まで)
休館日:毎週月曜日( 4月28日と5月5日は開催)、5月7日(水)
入場料:一般1100円/大学生900円/中高生・65歳以上700円
*各種割引についてはウェブサイトを参照
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話:03-3280-0099(東京都写真美術館)
公式サイト:http://www.capa101.jp
美術館サイト:www.syabi.com