デザインインフォメーション
【CREATING】「アーヴィング・ペンと三宅一生 Visual Dialogue」展 会場写真 2011 (Photo: MasayaYoshimura)
21_21 DESIGN SIGHT で開催してきた23 の展覧会を再構築
日本のデザインミュージアムの役割について考える
展示内容も日本のデザインミュージアムを考える意味から、多角的に構成しているところが見どころだ。
イントロダクションとして、まず世界の多彩なデザインミュージアムと個性的なコレクションを持つ日本の美術館・博物館の事例をコンパクトに紹介。海外に向けた日本のデザイン展を起点として、日本のデザインを定義してきた歩みを50 のキーワードでたどっている。
そして、21_21 DESIGN SIGHT でこれまでに開催してきた23 の展覧会を、以下4 つの軸に沿って再構築。21 世紀のデザインミュージアムに求められる役割について考えている。
身近な題材から社会に目を向ける〈モノ/コト/仕組み〉の系【FINDING】。デザインを駆動させる〈素材/技術/革新〉の系【MAKING】。地域を世界につなぐ〈東北/祈り/ユーモア〉の系【LINKING】。そして、個の創造力の拡張と深化を示す〈デザイン/アート/スピリット〉の系【CREATING】という、大きな4つの展示構成だ。
またドキュメントとして、生きたミュージアムのための教育プログラムとして、市民向け、子ども向けプログラムのドキュメントも展示している。
こうした展示内容は、これまで、21_21 DESIGN SIGHT が開催してきた23 の展覧会を基に再構成して、日本のデザインミュージアムの実現を考える画期的な試みといえる。
それは、21_21 DESIGN SIGHTが開催してきた企画展への検証とも思え、これからの展覧会のあり方を探る意味でも興味深い試みになっている。
また同時期に、「グッドデザインエキシビション 2013」も、初めて東京ミッドタウン内で開催。2013年度、グッドデザイン賞受賞のデザイン作品全点を紹介している。さらに、「デザインを五感で楽しむ」をコンセプトにした「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2013」も東京ミッドタウン全域で開催している。
秋の1日、東京ミッドタウンで日本のデザインの魅力に幅広く触れてみてはいかがだろうか。
左)【MAKING】尾陽木偶師 九代目玉屋庄兵衛+山中俊治「骨からくり『弓曵き小早舟』 2009(Photo: Yukio Shimizu)
右)【MAKING】陰翳 IN-EI ISSEY MIYAKE「MENDORI」 2012 (Photo: Hiroshi Iwasaki)
左) 【LINKING】ISSEY MIYAKE「紙衣」 1982 (Photo: Eiichiro Sakata)
右) 【CREATING】倉俣史朗「ミス・ブランチ」 1988(Photo: Hiroshi Iwasaki)
左) 【FINDING】佐藤 卓「デザインあ展」ロゴ 2013
右) 【CREATING】田中一光「Nihon Buyo」ポスター 1981