デザインインフォメーション
ミッド・センチュリー・モダンの家具で知られる
「ジョージ・ネルソン展」開催中!
ジョージ・ネルソンの世界を体験できる
日本での貴重な展覧会
展覧会場に入るとすぐ目に入ってくるマシュマロ・ソファ。
ユニークなデザインで強い存在感を放っているジョージ・ネルソンの代表作のひとつである。たとえネルソンの名前は知らなくても、この作品だけは見たことがある人も多いはずだ。
直径約25センチのカラフルな「マシュマロ」クッションを18個、お菓子のように飾り付けて配列。部屋に置いておくだけでも楽しくなる名作ソファとして、今も生産され続けているミッド・センチュリー・モダンを代表する作品である。
ミッド・センチュリー・モダンとは、20世紀半ば(1950年~60年代頃)にアメリカで登場した一連のデザイン・ムーブメントだ。20世紀初頭に勃興したモダン・デザインの合理的なデザイン表現に対して、シンプルでレトロ・フューチャーな雰囲気が漂い、特にインテリアや建築界に大きな影響力を与えた。
そうしたミッド・センチュリー・モダンを確立した代表的なデザイナーの一人が、ジョージ・ネルソンだ。
世界大戦が終わった後の豊かなアメリカを象徴するように、新しい家具の考え方や軽快なオフィスのあり方を提唱。その功績は、21世紀になったいまも高く評価されている。
ジョージ・ネルソンは、エール大学で建築の学位を取得後、ローマのアメリカン・アカデミーで学び、ニューヨークで建築事務所を設立している。しかし、建築家としてばかりでなく、さまざまな顔をもっていることでも知られている。
建築雑誌の編集長やデザイン関連の著書を出版するほか、デザイナーや教育者として、さまざまな分野で多くの功績を残している。
とくにハーマンミラー社では25年にわたりデザイン部長を務め、チャールズ&レイ・イームズの才能を見出して同社のデザイナーに起用。イサム・ノグチやアレキサンダー・ジラードらの優れた仕事を導き、ハーマンミラー社を世界的な家具メーカーへ成長させている。
いま目黒区美術館で開催中の「ジョージ・ネルソン展」は、こうしたジョージ・ネルソンの多岐にわたる功績を一堂に振り返ることができる貴重な展覧会である。
ドイツのヴィトラ・デザイン・ミュージアム企画による国際巡回展のアジア巡回の一環で、オーストラリア、香港に続いて国内では唯一、目黒区美術館だけの開催になっている。
ヴィトラ・デザイン・ミュージアム所蔵のジョージ・ネルソン関連コレクションを中心に、家具やプロダクト、模型や映像など約300点で構成。ジョージ・ネルソンの世界を間近で体験することができる。