デザインインフォメーション
ミッド・センチュリー・モダンに包まれた空間は
この時代にタイムスリップしたような印象を受ける
展示方法もジョージ・ネルソンの世界をトータルに理解できるように構成されている。
ビンテージ家具やプロダクト、住居、オフィス家具、時計などに始まり、今回の展覧会でしか見ることができない展覧会計画や教育関連のアーカイブ資料までも公開。
会場全体がジョージ・ネルソンによるミッド・センチュリー・モダン一色の作品に包まれた空間になっていることで、この時代にタイムスリップしたような印象を受ける。
個々の作品を鑑賞するのはもちろんだが、アメリカがもっとも豊かであった時代の若者のライフスタイルやデザイン志向を知ることができるのも興味深い。特に家具や小物などは、いまではレトロフューチャーであっても、当時は最先端のデザインであったことを感じる。
ミッド・センチュリー・モダンの考え方はインタリアやデザインばかりでなく、映画、音楽などさまざま分野にも密接に影響しあって、新しい時代の文化を築きあげていった。そうしたアメリカ文化の潮流をも感じとれる展覧会だ。
会場となった目黒区美術館は、目黒区民センターの一角にあり地域に身近な美術館だが、都心の美術館では観ることができない本格的な企画展が開催されることでも知られている。
一昨年は、20世紀の建築&デザインに大きな功績を残し、日本のデザイン界に大きな影響を与えた『シャルロット・ペリアンと日本』も開催されている(SUMAUで既報)。
また、生活の中の美や作品のなりたちと素材・技法に目をむけたワークショップ活動が特色で、展示と体験活動を融合させる取り組みも行われている。
この夏の期間中も、小中学生や家族を対象にネルソン展を鑑賞して、紙やモール、針金など身近な材料で小さな椅子を作ったり、マシュマロやチョコボールを使って、お菓子でネルソンの家具を作るなど、展示した作品を手づくりで体験できるワークショップを開催したことは注目したい。
ミッド・センチュリー・モダンをさまざまな角度から楽しめる「ジョージ・ネルソン展」は、9月18日(木)までの開催。
ジョージ・ネルソン展
―建築家、ライター、デザイナー、教育者
場所:目黒区美術館
会期:2014年7月15日(火)~2014年9月18日(木)
時間:10:00~18:00(最終入館17:30)
休館日:月曜
観覧料:一般1000円、大高生・65歳以上800円、小中生 無料
住所:東京都目黒区目黒2-4-36
電話:03-3714-1201