デザインインフォメーション
希代のイメージメーカー、ジャン=ポール・グードの
ハイブリッドな表現世界が繰り広げられる
展覧会場で圧巻なのは、希代のイメージメーカーとして知られるジャン=ポール・グードの展示だろう。1970年代から、広告イメージづくりのためのハイブリッドな作品は、まさに夢のつくり手として、比類なき創造性と美しさは多くのクリエーターに影響を与えてきた。
写真、ドローイング、インスタレーション、映像、キネティックアートなど、巧妙なイメージをつくり、それらはファッション、アート、デザイン、映画などの境界線を曖昧にしながら、彼のつくる洗練された力強いイメージがアイコン化していく。作曲家、三宅純とのコラボレーションが、さらに音と動きを結びつけて独自の世界を創りあげている。
ジャン=ポール・グードの作品が日本で大規模に公開されるのは稀であり、このイメージメーカーが表現する世界を間近に見られることは感動ですらある。70年代から今の時代まで走り続けるエネルギーを感じることができるはずだ。
日本からの舘鼻則孝の作品は、レディー・ガガが使用したことで一躍世界中から注目されたヒールレスシューズを展示。高下駄、石膏作品やアクリル製の彫刻などと共に、制作プロセスまでも公開されている。ロビーには試着コーナーも設置され、このユニークなシューズを誰でも体験できる。
そのほか、映画監督としても知られるデヴィッド・リンチが、人間の内面を描いたリトグラフを展示していて興味深い。また、ロバート・ウィルソンは「ビデオポートレート」シリーズを日本初公開。
フォトグラファーハルは、ビニール製の圧縮袋に男女カップルと二人を結びつけた思い出の品を入れて、真空パックにした中でのカップルの結びつきをリアルに表現していて見応えがある。
ひとりのアーティストの作品展とは異なり、こうしたジャンルを超えた作品の競演は、あらためてアートの可能性を感じとることができる。展示会場がひとつになった舞台のようなエネルギーを感じて、まさに日常とかけ離れた異空間を旅しているような気分になれる。
個々の作品のレベルの高さはもちろんのことだが、これほど多彩で多岐にわたるクリエーターたちの表現を見事に演出したエレーヌ・ケルマシュターの才気には、あらためて驚かされる。
安藤忠雄設計の幾何学的フォルムの展示施設で体験する、イメージメーカーたちの創造力の世界をぜひとも味わっていただきたい。10月5日まで、東京・六本木の21_21DESIGN SIGHTで開催中。
21_21 DESIGN SIGHT企画展
イメージメーカー展
会期:2014年7月4日(金)~ 2014年10月5日(日)
会場:21_21 DESGIN SIGHT(東京ミッドタウン・ガーデン内)
開館時間:11:00-20:00(入場は19:30まで)
休館日:火曜日( 9月23日は開催)
入場料:一般1000円/大学生800円/中高生500円/小学生以下無料
*各種割引についてはウェブサイトを参照
住所:東京都港区赤坂9-7-6
電話:03-3475-2121