デザインインフォメーション
世界的なテキスタイル・プランナー
「新井淳一の布 伝統と創生」が開催
三宅一生をはじめ国内外のデザイナーとのコラボレーション
先鋭的なテキスタイルがファッションの世界まで広がった
従来の布作りの枠にとらわれない新井淳一の自由な発想力が、ファッションの世界で名を広く世界に知られたのは1970、80年代であった。素材の探究を進める三宅一生や川久保玲(コム・デ・ギャルソン)をはじめ、海外のファッション・デザイナーたちとのコラボレーションは、新井淳一の制作の領域を拡大することになる。
創造性のある布を取り入れたファッションが、気鋭のデザイナーらの手で世に送り出されたことで、テキスタイルがファッションの世界まで広がっていく。複雑な織りで立体感を出した布や、不規則に穴のあいたフェルトなど、それまでの布の概念を覆す素材がファッションの世界に新風を吹き込んだともいえる。
金属や化学物質を使った布で知られる新井淳一だが、創作の原点は、手技の美学に始まっている。織りや絞りといった伝統的な手法と、当時既にコンピューターを取り入れた最新技術、化学知識の賜物であり、ほかのどの布にも見ることのない美しさを放っている。
60年にわたる軌跡を紹介する今回の展覧会は、多様な技法による布と制作にまつわるさまざまなものを展示。芸術性と実用性を結びつける新しい表現を追求し続けた、新井淳一の創作の原点を間近に見ることができる。
「メタリック・サウンド」
ボニントンギャラリーでの展示風景
ノッティンガム、イギリス 2010年
《プリーツI》
ポリフェニレンサルファイド、アルミニウム(スリットヤーン)
2007年
《青》
ウール、ナイロン、アルミニウム(スリットヤーン)
1995年
《オホ・デ・ディオス(神の眼)》
ポリエステル、アルミニウム(スリットヤーン)
1984年
《白虹》(部分)
ナイロン、アルミニウム(スリットヤーン)
1993年