デザインインフォメーション
三宅一生。 1970/1971年。
公益財団法人三宅一生デザイン文化財団所蔵。
©京都服飾文化研究財団
三宅一生。1970/1971年。
公益財団法人三宅一生デザイン文化財団所蔵。
©京都服飾文化研究財団
三宅一生。 1970/1971年。
公益財団法人三宅一生デザイン文化財団所蔵。
©京都服飾文化研究財団
2000年代ファッションのあらゆる礎を築いた
デザインの“ゼロ地点”を探ることができる展覧会
ここが起点となって、今や当たり前となったアシンメトリーなシルエットや、そしてもちろんファッショナブルな色としての不動の地位を確立した“黒”などが、現在のわれわれの“衣”生活にどれほど貢献したかがわかるだろう。
そして「こぶドレス」。現代ファッションの歴史のなかで確実にトップクラスの重要度に位置づけられる、コム・デ・ギャルソンによる羽毛のパッドを身体のあちこちに取り付けたドレスのシリーズである。
過去には女性の身体の曲線を強調するために使われたパッドを、そうした意図をあっさり放棄して、あらぬところに唐突にふくらみを“こぶ”のように突き出させたドレスは、おそらく「ぼろルック」ほどには、見聞きしていないひとがほとんどだろう。
だから、ぜひともこのチャンスを逃さないでほしい。「衣服と身体の関係性」などと難しいことを考えずとも、美醜について思いを馳せる貴重な時間となること請け合いだ。
年2回、コレクションと呼ばれるショウで発表されるファッションが、私たちのふだん身につける服とどのように結びつくのか。最近ではこの関係は以前よりもわかりやすくなってきてはいるが、それは色柄やマテリアル、アクセサリーといった、あくまでもディテールに限っての話。
仮にあなたが左右で大きくデザインの異なる軽いカットソー地のトップスや、全身をシックにブラックでまとめたコーディネートを身につけているとしても、ふだんなら“何代”遡ろうとそのデザインのオリジナルには辿り着けないはずだ。
そうしたデザインを可能にした“ゼロ地点”探る意味でも、この展覧会を訪ねてみるのも一興ではないだろうか。
(文/入江眞介)
渡辺淳弥(ジュンヤ・ワタナベ・コム・デ・ギャルソン)。
2000年秋冬。
京都服飾文化研究財団所蔵、畠山崇撮影。
渡辺淳弥(ジュンヤ・ワタナベ・コム・デ・ギャルソン)。
2000年秋冬。
京都服飾文化研究財団所蔵、畠山崇撮影。
渡辺淳弥(ジュンヤ・ワタナベ・コム・デ・ギャルソン)。
2002年春夏。
京都服飾文化研究財団所蔵、畠山崇撮影。
「Future Beauty 日本ファッションの未来性」
会期:開催中(~10月8日)
会場:東京都現代美術館 企画展示室3F
開館時間:10:00~18:00(入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(9月17日、10月1、8日は開館、9月18日は休館)
観覧料:一般1,000円、大学生・65歳以上800円、中高生500円、小学生以下無料(団体割引等あり)