デザインインフォメーション

2014.02.28

「コメ粒茶碗」/川路あずさ

 

左:「コメの景」/佐藤 卓デザイン事務所+竹村真一。 右:「注連飾り(しめかざり)」/ことほき

 

 

グラフィックデザイナー・佐藤 卓氏と

文化人類学者・竹村真一氏がディレクション

 

今回の展覧会のディレクターを務めるのは、グラフィックデザイナーの佐藤 卓氏と文化人類学者の竹村真一氏。ジャンルの異なる二人が、日本のコメの今と未来を見つめることで、これまで知られていないコメの再発見を目指している。

 

佐藤 卓氏が述べる。〈近い将来しか未来としか捉えることができない現代の効率主義により失われてきた大切なことを、この「コメ展が」が少しでも気づけるきっかけになれば、それ以上に嬉しいことはありません〉(佐藤 卓氏のメッセージより一部抜粋)。

 

また、竹村真一氏も次のように述べている。〈“知っているつもり”のコメを新たな視点で見直してみたい。まだ見ぬ、未然形のコメ文化を発見してみたい。そして気候変動や食糧危機の足音も高まるなか、まもなく90億の人口を抱える宇宙船地球号の基幹食物、「未来食」「地球食」としてのコメの可能性を、1万年の稲作とコメ文化の歴史も振り返りつつ見つめ直してみたい。私たちが「コメ展」を企画した背景には、こうした思いがありました〉(竹村真一氏のメッセージより一部抜粋)。

 

この二人のコラボレーションで、「コメの景」や「コメの道」の作品も発表。また、オープニングトークも、この二人で「まったくのいきもの、まったくの精巧な機械」[3月8日(土)2~4時]を開催する。

 

今回の展覧会には、コメをテーマに、佐藤 卓氏の作品のほか、深澤直人、石黒 猛、ことほき、川路あずさ、アラカワケンスケなど、多くの作家たちの作品を展示。また、「コメ展のための映像」(山中有)や、「コメの音」(阿部大輔)など、それぞれの分野でコメを表現していることも注目に値する。

 

暮らしに欠かせないコメをテーマにした大規模な展覧会は珍しい。コメがこれほどまでに生命と文化をつないでいることを、展示作品を通して感じとることができるはずだ。

 

未来を切り拓く多くの糧をもたらすコメの価値を知る貴重な機会でもある。日本人にとって必見の展覧会であろう。

 

展覧会をディレクションしたグラフィックデザイナー・佐藤 卓氏(左)と

文化人類学者・竹村真一氏(右)

 

 

コメづくりドキュメント写真

コメ展の準備のため、千葉県成田市「おかげさま農場」(2013年4~9月)で、佐藤 卓、竹村真一をはじめとする企画チームが、同農場代表、高柳 功氏の指導のもと、手作業による苗づくりから脱穀にいたるまでのプロセスを体験した。(撮影・安川啓太)

〈写真左より〉。高柳氏による苗づくりのレクチャー(2013年4月上旬)、田植えの準備および田植えの様子(2013年5月上旬)。

 

〈写真左より〉。収穫および乾燥(2013年9月上旬)、最後の画像は脱穀の様子(2013年9月下旬)。

 

 

 

21_21 DESIGN SIGHT企画展 「コメ展」

会期:2014年2月28日(金)~ 2014年6月15日(日)

会場:21_21 DESGIN SIGHT(東京ミッドタウン・ガーデン内)

開館時間:11:00-20:00(入場は19:30まで)

休館日:火曜日( 4月29日、5月6日は開催)

入場料:一般1000円/大学生800円/中高生500円/小学生以下無料

*各種割引についてはウェブサイトを参照

住所:東京都港区赤坂9-7-6

電話:03-3475-2121

http://www.2121designsight.jp

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