世界の一流ブランド研究

2014.02.24

不朽の名作チェアLC4 シェーズロング。シャルロット・ペリアンらしい優美なフォルムを誇るが、ルイ・ヴィトンとのコラボレーションでさらなる進化を遂げた。

 

 

変わらぬ斬新さを保ち続けるLC4

ルイ・ヴィトンによりさらなる進化を遂げた

 

もちろんコラボレーションというからには、概念的なオマージュにとどまらない実際の作品上での恊働となっている。シートに用いられているマテリアルは、ルイ・ヴィトンから提供されたサドルレザーなのだ。

 

そういわれてみれば、ダークブラウンとナチュラルのカラーリングは、ルイ・ヴィトンのバッグに見られるモノグラム・キャンバスとレザー製ハンドルのコンビネーションを連想させないだろうか。

 

本作は現行のシェーズロングLC4ではなく、オリジナルのファーストモデルを元にしている。その最も大きな違いはフレームとマットレスの接合され方だ。

 

独立してはいるもののファーストモデルではマットレスがフレームに直接取り付けられていたように、LC4 CPでも現行とは違ってマットレスのレザーがスティールパイプのフレームに直接巻き付けられている。

 

厚みのあるサドルレザーを、フレームの屈曲部分に沿ってしなやかにカーブさせるために入れられた切り込みは、美しいステッチワークともども高いクラフツマンシップを象徴するディテールと言えるだろう。さらに、ヘッドレストなどはそのままドラムケース型のバッグになるかのようだ。

 

LC4 シェーズロングといえば斑模様のファー・シートがすぐさま思い浮かぶのではないか。だが、バイカラーのサドルレザー版LC4 CPも、シャルロット・ペリアンの「洗練のミニマリズム」を体現する新たな代表作となった。

 

このル・コルビュジエのいう「休養の為の機械」は、1929年に発表されて以来、変わらぬ斬新さを保ちながらも、本作でさらなる進化を遂げたといえよう。

 

(文・入江眞介)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シートに用いられているマテリアルは、ルイ・ヴィトンから提供されたサドルレザー。ダークブラウンとナチュラルのカラーリングは、ルイ・ヴィトンのバッグに見られるモノグラム・キャンバスとレザー製ハンドルのコンビネーションを連想させる。

 

 

 

ベース部には、「2014年ルイ・ヴィトンアイコンコレクションに付してカッシーナからシャルロット・ペリアンへのオマージュとして」という一文(仏)が捧げられ、シリアルナンバーも刻まれている(左)。また、クロームフレームには、カッシーナと作者のサインが刻印されている。

 

 

 

 

LC4 CP。世界限定1000台のリミテッドエディション

(うち10台が日本に入荷)。

サイズ:W605×D1600mm

素材:フレーム=スティールパイプ・クロームメッキ仕上げ、シート=サドルレザー(ナチュラル/ダークブラウン)、ヘッドレスト=サドルレザー(ダークブラウン)、ベース=マットブラック塗装仕上げ

価格:128万円(税抜き)

 

 

カッシーナ・イクスシー青山本店

住所:東京都港区南青山2-12-14 ユニマット青山ビル1、2、3F

電話:03-5474-9001(代)

営業時間:11:00~19:30/不定休

 

カッシーナ・イクスシー大阪店

住所:大阪市中央区南船場4-2-4 日本生命御堂筋ビル1、2F

電話:06-6253-3450(代)

営業時間:11:00~19:30/水曜定休

 

カッシーナ青山本店での展示風景。

 

 

関連記事一覧