世界の一流ブランド研究
暖かみのある上質な照明がスペインから上陸
「サンタ&コール」の名作で灯りを楽しむ
スペイン発の照明・家具ブランド「SANTA & COLE(サンタ&コール)」の照明が、よりいっそう日本で身近に楽しめるようになった。シンプルながらモダンなデザインで、伝統的なヨーロッパらしい灯りで温かみのある空間を演出。代表的な照明器具に触れながら、製品に流れるメーカーの理念を紹介する。
良質でシンプルな製品を一貫して扱う
スペインの名門ブランド
スペインを代表する照明・家具ブランド/メーカー、「サンタ&コール(SANTA & COLE)」。1985年の創業以来、良質でシンプルなものづくりを追求し、屋内や屋外での照明器具や家具の開発を行ってきた。
このブランドの製品を、デザイン性の高い照明器具を扱うYAMAGIWAが、取扱いを開始。より身近に、安心して求めることができるようになった。
サンタ&コールの設立者は、ハヴィエル・ニエト・サンタ(Javier Nieto Santa)、ガブリエル・オルディグ・コール(Gabriel Ordeig Cole)、ニーナ・マソ(Nina Maso)という3人組。
本部はバルセロナの中心地から北へ30kmほどにあるラ・ロカ市の、広大な植林地を有する公園内に位置し、林業や出版も手掛けているというユニークな存在だ。
彼らが扱うのは、スペインの著名な工業デザイナーであるミゲル・ミラ(Miguel Mila)がデザインした「セスタ(CESTA)」をはじめ、フィンランドのイルマリ・タピオヴァラ(Ilmari Tapiovaara)デザインの「マーヤ(MAIJA)」など、時代を超えたデザインの製品の数々。
彼らが大切にしているのは「編集」だという。オリジナル照明商品の開発以外にも、アルネ・ヤコブセン(Arne Jacobsen)による「エージェーロイヤル(AJ ROYAL)」などの世界的名作の復刻生産にも取り組んでいる。時代や場所を超えて真にくつろぎをもたらす光を追求して選別し、提供しているのである。
サンタ&コールの一貫した姿勢にはファンが多く、住宅だけでなく、レストランやホテルをはじめ教育施設や公的機関などでも数多く採用。現在では、世界70カ国で取り扱われている。
空間の性格を問わずに
フィットする洗練された灯り
先に挙げた、サンタ&コールの代表的な製品の特徴を見てみよう。
まずは、「セスタ/セスティタ(CESTA / CESTITA)」というスタンドライト(デザイン:ミゲル・ミラ)。楕円形のセードと木製のハンドル、そしてフレームで構成された照明器具で、「ランタン」をイメージしているという。
どこか日本の提灯が思い起こされるような優しく愛嬌のあるフォルムで、半透明のセードを通して拡散する灯りは、心を落ち着かせるものだ。テーブルに置けばテーブルスタンドとして、床に置けばフロアスタンドとして。どのような空間やシーンにも合うことだろう。
1955年に生まれた「(マーヤ)MAIJA」(デザイン:イルマリ・タピオヴァラ)は、60年経った今見てもまったく違和感がないペンダントライトだ。
透過性のないプレートをルーバー状に重ねたセードで、蜂の巣を思わせるようなシンプルな構造をしている。光と影が美しいデザインが特徴で、フィンランドの機能美を今に伝えている。
そして、アルネ・ヤコブセンのデザインによる「AJ ROYAL(エージェーロイヤル)」。ヤコブセンが設計した5つ星ホテル、コペンハーゲンの中心にあるSASロイヤルホテルのため1956年にデザインされたフロアランプで、現在は復刻されているモデルだ。
ベースと軽やかな布のセードは楕円形で、見る方向によって異なる印象が生まれる。これもモダンながら柔らかいデザインで、幅広いテイストの空間に似合うに違いない。
スペインで培われた、上質なあかりを見出す選択眼。空間に新鮮な驚きと、くつろぎをもたらす光を身近に楽しみたい。
(文・加藤純)
yamagiwa tokyo
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