世界の一流ブランド研究
名匠ジャン・プルーヴェのオフィス家具
ヴィトラ社とジースターとのコラボで復刻
20世紀を代表するデザイナー、ジャン・プルーヴェがデザインしたオフィス家具シリーズが、現代のオフィス環境に合わせた復刻版となってリリースされた。スイスの家具ブランドVitra(ヴィトラ社)と、オランダの高級デニムブランドG-Star RAW(ジースターロゥ)によるコラボレーションモデルの第2弾「プルーヴェ ロゥ オフィスエディション」を紹介しよう。
G-Star(ジースター)のオフィス専用に開発されたアイテムを
2016年末までの期間限定で一般販売
「プルーヴェ ロゥ オフィスエディション」は、もともとは2014年に竣工したG-Star(ジースター)の本社新社屋のオフィス専用に開発された家具である。
ワークステーション、会議用のテーブル、オフィスチェア、照明器具。ベースとなったのは、1940年代にフランスの大手企業に向けてジャン・プルーヴェがデザインした家具のシリーズだ。
Vitra(ヴィトラ社)は、プルーヴェファミリーの協力を仰ぎながら、現代のオフィス環境やニーズに合わせてデザインをアレンジ。さらにカラーやディテールの開発にはG-Starのアートディレクターも参加し、プルーヴェのオフィス家具を復刻させたのである。
具体的には、どのようなアレンジが加えられたのだろう。
プルーヴェがオリジナルバージョンをデザインした当時と現代を比較して、圧倒的に変化したのはデジタル機器の普及だ。プルーヴェ ロゥ オフィスエディションでは、ケーブルや電源コードをすっきりと配置できるようにレールなどが追加されている。
また、オフィスチェアには、高さの調整機能を付け、脚部を安定感のある5本脚のキャスターに変更している。
オフィスチェア、デスク、シェルフのアイテムからなるプルーヴェ ロゥ オフィスエディションは、スペシャルエディションのラベルつき。G-Star以外の企業や個人への販売は、2015年5月末から2016年年末までの期間限定となっている。
プルーヴェのオリジナルデザインへのリスペクトと
新しいエネルギーとアイデアから生まれたプロダクト
G-Starは「Just the Product」という哲学の下、イギリスの自動車メーカー「ランドローバー」、アメリカの自転車メーカー「キャノンデール」、ドイツの光学機器メーカー「ライカ」などジャンルを超えた一流ブランドとコラボレートし、「RAW Crossover」シリーズとしてリリースしてきた。
VitraとG-Star RAWとのコラボレーションは、2011年に「プルーヴェ ロゥ」でスタートした。サイドボードやチェア、ベッド、テーブルなど居住空間に向けたアイテムで構成されていた。
今回は、第1弾とは性質の異なる「オフィス向け」ではあるが、根底にあるプルーヴェへのリスペクトは変わらない。インダストリアルなトーンのグリーンの塗装、レザーやファブリックの張地などディテールはオリジナルデザインをもとにつくられている。
スチールとソリッドウッドを組み合わせたデスク、チェア、キャビネットは、一時代を築いた工業時代からインスピレーションを受けている。
20世紀を代表するデザイナーであり建築家であるジャン・プルーヴェの構造哲学と、無駄を削ぎ落としたミニマルデザインの美。オフィスのみならず自宅の書斎やダイニングにも取り入れてみてはいかがだろう。
ジャン・プルーヴェ Jean Prouvé
(1901-1984)
近代工業建築の父、ル・コルビュジエやシャルロット・ペリアン、ピエール・シャローらと共にUAM(現代芸術家組合)の創立メンバー。 建築からプロダクトまで幅広い分野で偉大な功績を残した、20世紀を代表するフランス人デザイナー。鉄や工業材料などの素材に精通し、構造や技術の探求によって、シンプルながらも飽きのこない家具を数多く生み出た。合理的で無駄のない構造フォルムと、細部にまで施されている手仕事の美しさで高く評価されている。
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