世界の一流ブランド研究

2014.01.20

イサム・ノグチがデザインした
コーヒーテーブルの名作が復刻!

彫刻のようにデザインされた天板と、船の舵(ラダー)のようなレッグと2本の細いレッグが美しいコーヒーテーブル。1944年にイサム・ノグチがデザインし、1949年に商品化された「ノグチラダーコーヒーテーブル」は、歴史に残る名品だった。1951年に製造中止になっていたが、このたびハーマンミラージャパンが1月から受注を開始、イサム・ノグチの名作が現代に蘇る。

 

彫刻のように美しく機能的な

ミッドセンチュリー・モダンの名品

 

「ノグチラダーコーヒーテーブル」は、アールが美しいウッドの天板を3本のレッグで支える構造になっている。レッグのうち2本は細いクローム製で、残る1本が船の舵(ラダー)を思わせるウッド。

 

イサム・ノグチは、工業デザインや環境デザインなど幅広い分野で創作活動を続けた巨匠だが、あらゆるデザインのベースは「彫刻」にあったという。材料やアイデア、ジャンルが異なっても、具現化できるものはすべて彫刻であると考えていたのだ。

 

「ノグチラダーテーブル」のシンプルで有機的なラインもじつに彫刻的で、唯一無二の美しさがある。3本の脚は、すべてがラダーでも、すべてがクロームでも、これだけのインパクトはなかっただろうし、これほど美しい仕上がりにはなっていなかっただろう。

 

そして、シンプルながら実用性にも優れている。ひとりでもふたりでも3人でも、テーブルを囲む人が心地いいと感じられる空間をつくりだすのである。

 

 

 

 

 

 

現代に蘇ったイサム・ノグチの名作「ノグチラダーコーヒーテーブル」。彫刻のようにデザインされた天板や、船の舵(ラダー)のようなレッグと2本の細いレッグが美しい。

 

 

 

 

 

 

 

実用性にも優れている。ひとりでもふたりでも3人でも、テーブルを囲む人が心地いいと感じられる空間をつくりだす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チャールズ&レイ・イームズなどの家具ともに、「ノグチラダーコーヒーテーブル」は、ミッドセンチュリー・モダンの潮流を感じる。

 

 

イサム・ノグチ

1904年  ロサンジェルスで日本人の父とアメリカ人作家の母との間に生まれる

1906年  家族と一緒に日本へ移住

1918年  インディアナ州ローリング・プレーリーの学校に送られる

1923年  コロンビア大学に医学生として登録するかたわら、レオナルド・ダ・ビンチ美術学校で彫刻のクラスを取る

1927年  グッゲンハイム奨学金授与されてパリに赴く。数ヵ月間ブランクーシの助手を勤め、木、石、金属板で抽象彫刻を制作し、ニューヨークに戻って最初の個展に出品する

1948年  家具製品等のデザインを手掛ける

1970年  “AKARI(あかり)”およびイタリアで制作した縞大理石の作品を発表

1984年  ニューヨーク州ロング・アイランド・シティのイサム・ノグチ庭園美術  館が正式に一般公開される

1988年  ニューヨークにて死去

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