世界の一流ブランド研究
20世紀の名作チェア
パントンチェアに限定色が登場
プラスチック一体成型チェアの祖、パントンチェア
限定カラーのボルドーレッドが60脚限定で販売中
パントンチェアは、20世紀を代表する椅子のひとつである。プラスチック一体成型で生まれたチェアは、ラインが究極的に美しく、ふくよかでグラマラスなフォルムが特徴的だ。しかも人の身体に沿うような座り心地のよさがある。
パントンチェアの原型が発表された1960年当時、プラスチック一体成型という技術は革新的なものだった。のちのプロダクトデザインに大きな足跡を残した技術と言っても過言ではないだろう。
プラスチック一体成型は、デザインの可能性が一気に広がる夢の技術だった。そのうえ、軽くて丈夫。大量生産が可能だったことも、産業的にメリットが大きかった。
ハーマンミラー社からパントンチェアが世に送り出されたのは1967年。素材にはFRPが採用されていた。時代を超えて愛されてきたロングセラー商品だが、時代の流れとともに素材や色は変わっていく。現在では、環境に配慮した素材で、軽くてコストパフォーマンスにも優れたポリプロピレン製が主流だ。
今回は、ポリプロピレン製のパントンチェアに限定カラーのボルドーレッドが登場し、60脚限定で販売されている。そのほか、アイス・グレー、タンジェリン、クラシックレッド、シャルトルーズ、ブラック、ホワイトの7色展開である。
なお、数は少ないもののFRP製のチェアも製造が続けられており、パントンチェア・クラシックとして販売されている。色はレッド、ブラック、ホワイトの3色。ずっしりとした重量感があり価格も高いが、名作本来の風合いが楽しめる。
流れるような美しいフォルムのパントンチェア。発売から半世紀近くたっても新しい素材とカラーで生まれ変わり続けている。ボルドーレッドは、数量限定で60脚のみのスペシャルカラーだ。
ボルドーレッド以外に6色のカラーバリーションを展開。カラフルな色遣いもパントンチェアの魅力だ。
プラスチック一体成型という非常に画期的な手法を用いて作られたパントンチェア。座り心地はもちろんのこと、スタッキング機能も兼ね備えている。