行ってみたいデザイン空間

2013.07.29

ダイニングエリアからも眺められるワット・アルンが美しく迫る。

 

 

全17室のスモール・ラグジュアリー・ホテル

エントランスをくぐると喧騒から逃れるように別世界が広がる

 

サラ・ラタナコーシン・バンコクはこの地に以前からあった建物をリノベーションして造られた。

 

1階が倉庫や店舗として使われてきた低層のビル群は、マハラット通りからチャオプラヤ川に向かって延びる、いくつものソイと呼ばれる小道に沿って辺り一帯に建ち並んでいる。物流の中心が川だった頃、陸上げされた荷物は、この場所から各地へと広がっていった。ホテルの並びの建物では、今も1階の倉庫から荷物が運び出されていく。

 

そうした雑多なにぎわいは、しかし、いったんホテルのエントランスをくぐればすっかり別世界のことのようだ。低いカウンターの前に座ってゆったりとチェックインできるのは、全17室のスモール・ラグジュアリー・ホテルだからこその贅沢だ。

 

スッキリとモノトーンにまとめられたレセプションもライティングのせいか温かみが感じられ、これからの滞在への期待が高まってくる。ホテルは4階建てのビル2棟を繋げただけなのに、動線が工夫されているのだろう、その小ささは感じられない。

 

もちろん、インドアプールやビジネスセンターがあるわけではないが、近隣のジムを利用できたり、さまざまなスパのトリートメントを自室で受けることができる。ゲストの要望に笑顔で応えてくれるコンシアージのレベルは高く、期待を裏切られることはない。

 

部屋のカテゴリーはスイート、デラックス、スタンダードの3タイプ。その最上位、アルン・リバー・ビュー・スイートは4階のチャオプラヤ川に面した間口分がすべて使われている。

 

ベッドサイドへと迫り出したラウンド型のバスタブは、まさに“ビュー”を楽しむための場所。視界を遮るものもなく、川を行き来する観光船の視線も4階までは届かない。ピクチャーウィンドウいっぱいに広がるのは、エキゾティックなワット・アルンの全貌である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

都会的な雰囲気に満ちたダイニングエリアのバーカウンター。

 

 

 

リラックスできるモノトーンにまとめられたシンプルなダイニングエリア。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

落ち着いた雰囲気のホテル外観。たった17室のスモール・ラグジュアリー・ホテルだ。

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