行ってみたいデザイン空間

2015.02.09

「日本の美意識」を尊重した洗練の空間
5つ星デザインホテル「アンダーズ 東京」

東京の中心、虎ノ門で注目の日本初上陸のライフスタイルホテルブランド「アンダーズ 東京」。虎の門ヒルズの47階から52階の6フロアを占める。アンダーズとはヒンディ語でパーソナルスタイルを意味するように、自宅にいるようなくつろぎを与えてくれるホテルだ。和紙などの自然素材を取り入れ、襖や障子のアイデアを得たデザインで、シンプルでありながらも「日本の美意識」を尊重した洗練の空間となっている。広めのゲストルームからの都心の眺望もすばらしい、極上の高級デザインホテルの魅力に迫る。

 

『アンダーズ スイート』のリビングエリア。窓から見える都心の眺望もすばらしい。

『アンダーズ スイート』のリビングエリア。窓から見える都心の眺望もすばらしい。

 

日本初、世界で12番目となる

ハイアットが手がける最新ブランド「アンダーズ 東京」

 

5つ星ホテルに求められることといったら、どのようなものだろうか。

 

ジムやプール、スパなどのファシリティが整っていること。それとも、広々とした客室内にタブとシャワーブースが独立したバスルームがあることだろうか。そのクラスに恥じぬ有名レストランを擁していることを挙げる向きもあるだろう。なかには、ハイエンドなコスメブランドのアメニティを要求するひともいるかもしれない。

 

しかし、誰もが頷くだろう要素として“恭しくかしずいてくれるサービス”というものがあるのは間違いない。5つ星ホテルに滞在するからには、特別なゲストとしてちやほやされたいというのはごく自然な感情だろう。

 

昨年、虎ノ門に誕生した「アンダーズ 東京」ではその“特別扱い”は少し様子が違うようだ。クラシックなユニフォームに身を包んだベルが重たいドアを支えてあなたを招じ入れ、すかさずスーツケースを運んでくれる、といったシーンがロビーで展開されることはない。

 

そもそもアンダーズにベルはいない。1人でコンシアージもフロントももちろんベルもこなすアンダーズ ホストが、あなたをまるで友人宅に招かれたかのように、シンプルではあるもののさりげない気遣いでもってもてなしてくれるのだ。ちなみにその友人宅は趣味も気前もいい友人の家である。

 

スタンダートタイプの『アンダーズ ルーム』。日本らしい美意識を追求した室内。鉄瓶のティーポットなど、自宅にいるようなくつろぎを大切にしている。

スタンダートタイプの『アンダーズ ルーム』。日本らしい美意識を追求した室内。鉄瓶のティーポットなど、自宅にいるようなくつろぎを大切にしている。

 

虎の門ヒルズの47階から52階の6フロアを占める「アンダーズ 東京」。1階のエントランスからエレベーターでホテルへ上がる。

虎の門ヒルズの47階から52階の6フロアを占める「アンダーズ 東京」。1階のエントランスからエレベーターでホテルへ上がる。

ホテル内にちりばめられたアートワークが美しい。永田哲也による作品は和菓子の木型を和紙に型取って作られている。

ホテル内にちりばめられたアートワークが美しい。永田哲也による作品は和菓子の木型を和紙に型取って作られている。

 

 

そんなわけで、大理石のフロントデスク越しに向かい合うチェックインというものはここにはない。虎ノ門ヒルズの高層階を占めるこのハイアット ホテルズ アンド リゾーツの最新ブランドは、最上階の1つ下、51階が“ロビー”であるアンダーズ ラウンジ。

 

アンダーズ ホストに導かれウォルナット材の大テーブルに着席すれば、くつろいで松の盆栽を眺めている間にチェックインは完了だ。ついでに虎ノ門でオススメのアドレスを尋ねてみてもいい。

 

ここではゲスト一人ひとりのニーズに合わせカスタマイズされたサービスが心がけられている。それもかしこまったバトラーによるそれではなく、気心の知れた友人の心遣いで。ヒンディでパーソナルスタイルを意味する“andaz(アンダーズ)”をその名に冠する所以だ。

 

アンダーズではまたその周辺環境との結びつきも強く意識されている。ホテル自体が東京の虎ノ門という立地によって“パーソナライズ”されているといったところか。世界に12あるアンダーズはどれも似ていないのはそのためだ。

 

上質さに満ちたゴージャスなラウンジ。都心にいながら異次元空間にいるような落ち着きがある。

上質さに満ちたゴージャスなラウンジ。都心にいながら異次元空間にいるような落ち着きがある。

 

ラウンジのウォルナット材の大テーブル。松の盆栽も印象的だ。一つひとつ指先で組み合わされた小高重光による組子細工の壁面も目を惹く。(右)。

ラウンジのウォルナット材の大テーブル。松の盆栽も印象的だ。一つひとつ指先で組み合わされた小高重光による組子細工の壁面も目を惹く。(右)。

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