デザインインフォメーション

2013.09.24

「ハンス・ウェグナーの椅子展」で
北欧の美しい暮らしのカタチに出会う

デンマークを代表する家具デザイナーの一人、ハンス・ウェグナー(1914~2007年)。生涯に500脚以上の椅子をデザインしたと言われる北欧家具デザインの巨匠である。彼のものづくりの姿勢やプロセスを、数々の椅子の展示を通して紐解く「島崎信+織田憲嗣が選ぶ ハンス・ウェグナーの椅子展」が、10月14日までスパイラルガーデンで開催されている。

 

 

北欧デザインの巨匠、ハンス・ウェグナーの

都心での大規模な展覧会

 

ハンス・ウェグナーのデザインした椅子は、誰もが一度は目にしたことがあるに違いない。

 

日本の住宅雑誌では必ずと言っていいほど竣工写真に登場する「Yチェア」をはじめ、「椅子の中の椅子」と称される「ラウンドチェア(通称ザ・チェア)」。

 

中国・明の時代の椅子をリデザインしたものとして有名な「チャイナチェア」など、世界的に有名な椅子は枚挙にいとまがない。

 

今回の展覧会は、生前のウェグナーと深い親交をもち、北欧デザイン研究の第一人者としても知られる島崎信氏(武蔵野美術大学名誉教授)と、椅子研究家である織田憲嗣氏(東海大学特任教授)を監修に迎え、両氏が選んだ60脚以上の椅子が一同に展示される。

 

展覧会で重視されているのは、「見る」「使う」「買う」という、3つの側面だ。会場で実際の椅子を見て、現在も生産が続けられている現行品は実際に座って、買うこともできるのが特徴になっている。

 

それぞれの椅子を体験しながら、ウェグナーの活動の変遷を追う。そのことでウェグナーのデザインのルーツや、変化の激しい技術や社会的な状況に対して、どのように柔軟な姿勢を持っていたのかがより深く感じられるはずだ。

 

さらに定番品に加えて、今日では生産されていない椅子や、試作のみで生産されなかった椅子などの歴史的価値が高い作品も登場。ウェグナーの重要なデザインソースとして知られる、中国明代の椅子などの有名な椅子にも出会える。

 

木材パーツやミニチュア、自邸の模型などの貴重な資料も展示されており、幅広くデザインの背景を知ることができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Yチェア」 1950年 「チャイナチェア」とともに代表的な椅子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「椅子の中の椅子」と称される「ラウンドチェア」

(通称ザ・チェア) 1949年

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イージーチェア」 1954年

 

 

 

 

 

 

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