デザインインフォメーション
バラをテーマに世界の花舞台へ
「フラワーアートアワード2015」受賞作決定
都市とアートの新しい展開を提案し続けている東京ミッドタウンで、バラの生花を素材にした3つのアートコンペが同時に開催された。展示会場となった東京ミッドタウンに、大小さまざまなフラワーアートが華やかに飾られ、会期中に訪れた約30万人以上もの来場者たちの目を楽しませた。「フラワーアートアワード2015」のグランプリ受賞者は、日本代表としてフランスのアート・フローラル国際コンクールへ出場する。
バラを素材にしたスケールの大きな作品とブーケ
展示会場は華やかなフラワーディスプレイで彩られた
東京ミッドタウンを彩ったのは、「フラワーアートアワード2015」、「ローランベー・ブーケティエ カップ」、「フラワーアートショーケースアワード2015」の3つのコンペティション。
もっとも注目を集めたのは、4月22日から4月26日に展示が行われた「フラワーアートアワード2015」だ。今年で16回目を数えるバラを題材にしたフラワーアートのコンクールで、毎年、フランスで開催されている「アート・フローラル国際コンクール」の日本代表選考会も兼ねている。
今年のテーマは「ZEN~禅~」。100本以上のバラの花と、グリーンや枝などを組み合わせた17作品が、東京ミッドタウンのメインショッピングエリアであるガレリアのパブリックスペースに展示された。サイズの規定は、床面165cm四方以内、高さ290cm以内という大きなもので、どの作品も圧倒的な存在感を放っていた。
ガレリア3階の一角には、テーブルサイズでアレンジメントされた「ローランベー・ブーケティエカップ」の作品が並んだ。フラワーアートアワード2015の特別部門として、アワードの審査員でもあるブーケニストのローラン・ボーニッシュさんの名を冠したコンペで「バラあしらいNo.1花作家 in 東京ミッドタウン」を選出。
「フラワーアートショーケースアワード2015」では、ガレリア各フロアの柱ショーケースをフラワーデザイナーに開放した。2015年のテーマは「“和”のエスプリ」。
なお、フラワーアートショーケースアワードは、プリザーブドフラワーやアーティフィシャルフラワーなど「生花以外の花」で構成されるため、5月7日まで展示されている。GW中に東京ミッドタウンを訪れ、繊細で多彩なフラワーアートをご覧になってはいかがだろう。
フラワーアートアワードの受賞者が決定
グランプリ受賞者は日本代表としてフランス国際大会へ!
会期中、4月24日には、3つのコンペティションの受賞式も執り行われた。審査員のひとりローラン氏は「今年は全体的にレベルが高かった。“禅”がテーマということで、竹や苔など日本らしい素材を使った作品が増えたのも印象的だった」と総括。
見事、フラワーアートアワード2015のグランプリを獲得したgram.(村瀬将之さん、久保田広樹さん、原 健吾さん、杉山雄右さん)。静岡市を拠点とする4名のユニットで、花をテーマにした映像と音楽のパフォーマンス集団である。
作品のテーマは「共生」で、「さまざまな色や形のバラをバランスよくデザインしていた。細部までていねいに作業をしていた点も評価」と審査員から高く評価された。
フラワーアートアワード2015のグランプリ受賞者は、毎年、フランスでも有数のバラの生産地であるロワール地方ドゥエ・ラ・フォンテーヌで開催されるアート・フローラル国際コンクールに日本代表として派遣される。
グランプリに輝いたgram.の村瀬さんは、「まさか初出場なのにグランプリを受賞できた大変喜んでいます。チームの仲間と喜びを分かち合いたいと思います。白い丸と四角、シンプルなバラの生花との共生で、禅の世界を表現することができました。フランスの本戦でも世界グランプリを狙いたいと思います」と、受賞の喜びと国際コンクールへの抱負を語った。
ローランベー・ブーケティエカップでは堀口明子さんの「夢の蕾」が、フラワーアートショーケースアワード2015では下永瀬美奈子さんの「桜」がグランプリを受賞している。
(文・久保加緒里、写真・川野結李歌)
フラワーアートアワード実行委員会(PLAINS INC)