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2015.03.20

日本最大のアートの見本市が開催中
アートフェア東京2015で最旬アートに出会う

世界の最旬のアートが一堂に会する日本最大の見本市「アートフェア東京2015」。記念すべき10回目を迎え、有楽町国際フォーラムで幕をあけた。開催は、3月20日(金)から22日(日)の3日間。国内外から140軒を越えるギャラリーやパートナーが参加し、古美術から現代アートまで、幅広いジャンルのアート作品の展示販売を行っている。

 

オープニングセレモニーには内閣総理大臣夫人・安倍昭恵さんが列席。列席者全員による恒例の鏡開き(右)。

オープニングセレモニーには内閣総理大臣夫人・安倍昭恵さんが列席。列席者全員による恒例の鏡開き(右)。

 

日本の美術の在り方を紹介するアースティック・プラクティス。A会場で待ち受けるのは蜷川実花氏の作品「Acid Bloom」。

日本の美術の在り方を紹介するアースティック・プラクティス。A会場で待ち受けるのは蜷川実花氏の作品「Acid Bloom」。

 

アースティック・プラクティスはモリモトもスポンサーとして協力。

アースティック・プラクティスはモリモトもスポンサーとして協力。

A会場のテーマは「琳派はポップ/ポップは琳派」。山本太郎氏の「紅白紅白梅図屏風」の作品などを展示。

A会場のテーマは「琳派はポップ/ポップは琳派」。
山本太郎氏の「紅白紅白梅図屏風」の作品などを展示。

 

コシノジュンコ氏の「蒔絵花札」。

コシノジュンコ氏の「蒔絵花札」。

しりあがり寿氏の作品も展示。

しりあがり寿氏の作品も展示。

 

 

観る愉しみ、知る愉しみ、手に入れる愉しみ

アートの「現在(いま)」を満喫する

 

東京を中心に、関西や中京圏、北陸など国内各都市だけでなく、ソウルや北京、台北、パリなど海外からの出展も多数されているアートフェア。各ギャラリーのブースごとに異なる世界観が繰り広げられている。

 

アートフェアの醍醐味は、多彩なアートを間近で鑑賞できること、そしてなにより「購入できる」ことにある。一期一会の出会いを、一生の愉しみに変えられる可能性があるのだ。

 

自宅のどこに、どんな時期に飾ろうか。春のリビング? 夏の玄関? それとも冬の寝室?

 

古美術から現代アートまで美術館クラスの作品も多数出品。絵画、写真、立体作品、うつわなど、数千点の多彩な作品が集結している。アートのある暮らしを想像しながら、有楽町国際フォーラムでギャラリーホッピングを満喫してほしい。

 

日本最大の見本市だけに、一日中、多くの来場者でにぎわう。

日本最大の見本市だけに、一日中、多くの来場者でにぎわう。

 

アースティック・プラクティスB-1とB-2の会場も、モリモトがスポンサーとして協力。 B-1では「ベネツィアからみた日本の現代アート」を展示。

アースティック・プラクティスB-1とB-2の会場も、モリモトがスポンサーとして協力。
B-1では「ベネツィアからみた日本の現代アート」を展示。

 

宮島達男氏の「Life(rhizome)」2012。LEDによる照明で数字が輝くように点滅する。

宮島達男氏の「Life(rhizome)」2012。LEDによる照明で数字が輝くように点滅する。

森山泰昌氏の「セルフポートレート(女優)/バルドーとしての私・2」1996。

森山泰昌氏の「セルフポートレート(女優)/バルドーとしての私・2」1996。

 

「東京画廊+BTAP」から出品の西澤千晴氏のアクリル画。人間が世の中を便利にするために生み出したものには副作用もある。「このままの方向に向かっていいのか」という、危機感を表現している。

「東京画廊+BTAP」から出品の西澤千晴氏のアクリル画。人間が世の中を便利にするために生み出したものには副作用もある。「このままの方向に向かっていいのか」という、危機感を表現している。

 

本の一部を消しゴムで消し、その消しカスでイメージを立体化した入江早耶氏の作品。

本の一部を消しゴムで消し、その消しカスでイメージを立体化した入江早耶氏の作品。

「東京画廊+BTAP」の山本豊津氏と西澤千晴氏(左)

「東京画廊+BTAP」の山本豊津氏と西澤千晴氏(左)

 

 

「琳派」と「ベネツィア・ビエンナーレ」

ふたつの文脈から日本の現代アートを紐解く特別展示

 

アートフェアでは、2011年から『アーティスティック・プラクティス』という特別展示を行っている。「いつの時代にも、どんなジャンルにも、芸術的実験がある」をコンセプトにしながら、毎年異なる切り口で日本と美術の在り方を紹介してきた。

 

今年の切り口はふたつ。誕生から400年を迎える「琳派」と、世界有数のアートの祭典「ベネツィア・ビエンナーレ」である。

 

「琳派はポップ/ポップは琳派」では、モチーフの具体性や明快なフォルムなど琳派とポップアートの共通項から「現代日本の表現」に迫る。金氏徹平、コシノジュンコ、しりあがり寿、染谷 聡、中島克子、蜷川実花、山口 藍、山本太郎、矢柳 剛の9名の作品で構成。

 

「ベネツィアからみた日本の現代アート」では、2015年で56回目となる「ベネツィア・ビエンナーレ」に参加した実績のある日本人作家のなかから、15名の作品を展示。

 

「多様性の中の現在」と「“もの派”から辿る20世紀」を軸に、世界から注目を集める現代日本のアートの文脈を読み解いていく。

 

10周年を迎えたアートフェア東京の見どころを、アートフェア東京実行委員会のボードメンバーも務める「東京画廊+BTAP」の山本豊津氏にうかがった。

 

――最近は、日本の現代美術のなかでもとくに60年代、70年代の作品が欧米から中国まで世界的に注目を集めています。戦後の日本は、クルマや家電製品など欧米で生まれたものを翻訳してアジアに定着させてきましたが、アートの分野においても“日本の翻訳力”が興味の対象となっているのかもしれません。

 

“もの派”と“具体美術”をはじめ、近代日本のアートについて我々日本人自身が見直す必要がある。今年のアートフェアでは、2000年以前と2000年以降をつなげる作品も多く出展されています。日本で生まれたグローバルスタンダードのなかのローカリティを、ぜひ体感していただきたいと思います――

 

アートフェア東京2015は、古美術から現代美術国際展や美術館で見たアーティストの作品を購入できるチャンスだ。

 

昨年は約5万人(4日間)もの来場者数を記録したが、今年もトークショーや関連イベント、特別企画展示も多い。ぜひとも会期中に足を運んでみてはいかがだろう。3月22日(日)までの開催。

 

(文・久保加緒里、写真・川野結李歌)

 

「村越画廊」では「日月山水」をテーマにした、桝本佳子氏とミヤケマイ氏の二人展。ミヤケ氏の新作は、通電することで曇りガラスになる最新テクノロジーを「春霞」に見立て、作品の造作が見えたり見えなくなったりする趣向がこらされている。

「村越画廊」では「日月山水」をテーマにした、桝本佳子氏とミヤケマイ氏の二人展。ミヤケ氏の新作は、通電することで曇りガラスになる最新テクノロジーを「春霞」に見立て、作品の造作が見えたり見えなくなったりする趣向がこらされている。

 

ソウルの「EUGENE GALLERY」からの、Kim,Jea Yong氏の「Donuts drives me Crazy」。

ソウルの「EUGENE GALLERY」からの、Kim,Jea Yong氏の「Donuts drives me Crazy」。

静岡県三島市の「GALLERY エクリュの森」からは榊貴美氏の作品を出展。

静岡県三島市の「GALLERY エクリュの森」からは榊貴美氏の作品を出展。

 

 記念すべき10回目を迎えたアートフェア東京2015。世界30都市から、132軒のギャラリーが出展している。


記念すべき10回目を迎えたアートフェア東京2015。世界30都市から、132軒のギャラリーが出展している。

 

 

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アートフェア東京2015

会期:3月20日(金)~3月22日(日)

会場:東京国際フォーラム 地下2階 展示ホール

時間:3月20日(金)11:00~21:00、 3月21日(土)11:00~20:00、3月22日(日)10:30~17:00 

料金:1-DAYパスポート2000円(税込)

※1-DAY パスポートで一般会期中の1日に限り自由に入退場ができます

3-DAYパスポート 3500円(税込)

※3-DAY パスポートで一般会期中自由に入退場ができます

住所:東京都千代田区丸の内3-5-1

電話:03-5808-1451(アートフェア東京実行委員会)

http://artfairtokyo.com/

 

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