行ってみたいデザイン空間

2015.01.23

デジタルアートをインタラクティブに楽しむ
「チームラボ 踊る!アート展と、
学ぶ!未来の遊園地」

「Nirvana」(チームラボ、2013)

東京・お台場の日本科学未来館で、子どもから大人まで誰もが楽しめるデジタルアートの企画展が開催され好評を博している。「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」で繰り広げられている、近未来的なデジタルアートの世界と体験型知育空間のデジタル遊園地を体感した。

 

 「花と人、コントロールできないけれども共に生きる、そして永久に‐Tokyo」 無限に花を描き続けるインスタレーション。壁から床まで空間いっぱいに花を咲かせ、いっせいに咲いては散る。東京に生息している花々がモチーフ。1時間を通して、東京の1年間の花々が移り変わっていく

「花と人、コントロールできないけれども共に生きる、そして永久に‐Tokyo」
無限に花を描き続けるインスタレーション。壁から床まで空間いっぱいに花を咲かせ、いっせいに咲いては散る。東京に生息している花々がモチーフ。1時間を通して、東京の1年間の花々が移り変わっていく

 

空間いっぱいに投影されるデジタルアートが

圧倒的な存在感を放つ異次元の世界

 

「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」では、<サイエンス>、<テクノロジー>、<アート>、<デザイン>を融合させながら活動を続ける「チームラボ」の作品を2部構成で展示している。

 

チームラボは、コンピューター関連のエンジニアや数学者、建築家、CGアニメーター、Webデザイナー、グラフィックデザイナー、絵師、編集者などスペシャリストたちで構成しているウルトラテクノロジスト集団だ。

 

これまでにも、日本をはじめ台湾、フランス、シンガポール、アメリカなどで作品を展示し、各国で高い評価を受けてきた。

 

今回の企画展は、これまでに発表されたチームラボのデジタルアート作品と遊園地作品に新作2点を加えた計15点を体感&体験することができる世界初の展覧会だ。前半は「魅せる」ことに重点を置いた作品群「踊る!アート展」。

 

暗幕をくぐって会場に足を踏み入れた瞬間、アート世界にいきなり放り込まれる。

 

無限に花を描き続ける新作のインスタレーション作品が、壁から床まで空間いっぱいに花を咲かせ、いっせいに散る。枯れては芽吹き、咲いては舞い散る。

 

完成された映像をただ投影しているのではない。鑑賞者との距離を感知しながらコンピューターのプログラムでリアルタイムに描き出しているのである。同じ構図は二度と見ることができない作品だ。

 

特に印象的だったのは「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして分割された視点-Light in Dark」というデジタルインスタレーション作品。広い展示空間に立体的に配置された7つの画面を、光の八咫烏(やたがらす)が飛び回る。

 

水墨画のようなモノクロの世界から一転、ダイナミックで躍動感溢れる光のアートが繰り広げられる。静から動へ、動から静へと無限にループを続ける作品を2周、3周と見続けるうちに、自分自身が作品世界に溶け込んだような錯覚に陥る。

 

水面に映る風景のように黒い床に反射した映像が空間の境界を曖昧にしていき、空間を浮遊しているような不思議な感覚。ずっとその空間に身をおいていたくなった。

 

「花と屍 剥落 十二幅対」 「自然と文明の、衝突、循環、共生」をテーマにした12幅からなる絵物語。作品の表面が剥落し、作品の裏側が見えていく。

「花と屍 剥落 十二幅対」
「自然と文明の、衝突、循環、共生」をテーマにした12幅からなる絵物語。作品の表面が剥落し、作品の裏側が見えていく。

「Nirvana」 伊藤若冲の「鳥獣花木屏風図」や「樹花鳥獣屏風図」をモチーフとした巨大なアニメーション作品(高さ約5m×幅約20m)。

「Nirvana」
伊藤若冲の「鳥獣花木屏風図」や「樹花鳥獣屏風図」をモチーフとした巨大なアニメーション作品(高さ約5m×幅約20m)。

 

「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして分割された視点‐Light in Dark」 広い空間を光の八咫烏(やたがらす)が飛び回り、その軌跡が光跡となって光の空書を描いていく。水面に映る風景のように黒い床に反射する映像は、空間を浮遊しているような不思議な感覚だ。プロジェクション・マッピングによるインスタレーション。

「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして分割された視点‐Light in Dark」
広い空間を光の八咫烏(やたがらす)が飛び回り、その軌跡が光跡となって光の空書を描いていく。水面に映る風景のように黒い床に反射する映像は、空間を浮遊しているような不思議な感覚だ。プロジェクション・マッピングによるインスタレーション。

 

「まだ かみさまが いたるところにいたころの ものがたり」 壁面の上部から舞い降りてくる文字をタッチすることで、「ことば」が「ビジュアル」になって昇華する。デジタルアート作品が子どもの感覚と能力を刺激する。

「まだ かみさまが いたるところにいたころの ものがたり」
壁面の上部から舞い降りてくる文字をタッチすることで、「ことば」が「ビジュアル」になって昇華する。デジタルアート作品が子どもの感覚と能力を刺激する。

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