デザインセレクション
チェコの照明メーカー「LASVIT」が贈る
ボヘミアンクリスタルの優美なライト
照明器具はインテリアの印象を大きく左右するアイテムのひとつだ。いま、注目したいのは、チェコ共和国の照明ブランド「LASVIT(ラスビット)」のペンダントライト。無色透明なボヘミアンクリスタルの美しさを最大限に高めたエレガントな灯りをご紹介しよう。
手吹きで仕上げられたボヘミアンクリスタル
繊細で優雅なラインが空間をラグジュアリーに演出
ガラス工芸は、13世紀から続くチェコの伝統工芸だ。「チェコ共和国」と聞いてもすぐにはイメージが湧かないかもしれないが、「ボヘミアガラス」はご存じだろう。
ボヘミアのガラス工芸で製造される品は、グラス、ボウル、シャンデリア、オブジェなど多岐にわたる。しかし、さまざまな彫刻や絵付けが施されたものも多く、シンプルな空間には少々デコラティブすぎるきらいがあった。
2007年、ボヘミアガラスのなかでも硬質で透明感が高く、上質な「ボヘミアンクリスタル」を生み出す伝統的な技法と、現代的なデザインを融合させたブランド「LASVIT」が誕生した。そして2017年、日本にも上陸を果たす。
デザインを手がけるのは、チェコ出身のRene Roubicek、Borek Sipekのほか、日本のデザインユニットNendo、有機的なデザインを得意とするイギリスのRoss Lovegrove、ポーランド系アメリカ人の建築家Daniel Libeskind、ドイツ生まれのオランダ育ちでアーティスト活動も行っているデザイナーMaarten Baasなど。
手吹きガラスの照明器具やオートクチュールで仕上げたクリスタル作品で知られているLASVIT。繊細でエレガントな作品は、パリのペニンシュラホテルをはじめ世界各地のラグジュアリーホテルのメインロビーやダイニングを華やかに飾っている。
無色透明のボヘミアンクリスタルを
有機的でエレガントなペンダントライトに
今回、ヤマギワが取り扱いをはじめたのは、4組のデザイナーのペンダントライトだ。いずれの作品も、ボヘミアンクリスタルの透明感を活かした、シンプルでオーガニックなフォルムが特徴的。
Jan Plechac & Henry Wielgusの「NEVERENDING GLORY」は、世界的に有名な5つの劇場のシャンデリアをモチーフにしている。モスクワのボリショイ劇場、ミラノのスカラ座、プラハのエステート劇場、パリのガルニエ宮殿、ニューヨークのメトロポリタン劇場である。
それぞれの劇場を飾っているゴージャスで、美麗で、クラシカルなシャンデリアのシルエットのアウトラインを線でなぞり、360度回転させてシェードのフォルムをつくりだす。繊細なアウトラインを木型で再現し、可能な限り実際のサイズに近づけたいと、手吹きガラスの技術で製造できる最大のサイズを目指した。
単一素材で色味もないが、だからこそボヘミアンクリスタルのクリアで艶のある質感とフォルムの美しさが際立つシェードに仕上がっている。
Lucie Koldovaの「SPIN」も、360度の回転を感じさせるデザインだ。クルクルと回る独楽のフォームにヒントを得たという。
ソケット部を覆うメタルパーツ部分は、黒、シルバー、ゴールド、コッパーの4色で展開。ソリッドな塗装とボヘミアンクリスタルの透明感のコントラストが美しい。
2011年よりLASVITのアートディレクターを務めるMaxim Velcovskyは、水が凍る瞬間をとらえた。液体である水が固体である氷へと形状を変化するさまは、熱したガラスを整形し冷やし固めるガラス製品の製造過程に通じる。
金属の型に溶解したガラスをのせ、ガラスが固まる瞬間を記憶した美しいシェード「FROZEN」は、同じ工程で制作しても同じ仕上がりになるものはふたつとない。ガラスの厚みや重なり、しわ、気泡など唯一無二の表情も楽しみたい。
Gabriela Nahikovaの「GLITTERS」は、三角柱状のガラスパーツをゆるやかに傾斜のついたプリーツ状に組み合わせた。光を透過することでガラスのエッジと面とに陰影が浮かび、ロマンティックに空間を照らす。シェードは2連、3連のタイプも用意されている。
LASVITの高いクォリティは、デザインからクリスタルの製造、照明器具の組み立てまで、完全に自社工場で行うことで保たれている。気鋭のデザイナーと職人の高い技術のコラボレーションを、住まいやオフィスに採り入れてはいかがだろう。
yamagiwa tokyo
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