デザインセレクション
ハンス J. ウェグナーのダイニングチェア
CH88に新たなカラーコレクションが登場
ミッドセンチュリーを代表するデザイナーのひとり、ハンス J. ウェグナー。ウッドとスチールを組み合わせた繊細なデザインのダイニグチェア「CH88」に、カラーフレームを採用したバージョンが登場した。
半世紀以上の時を経て新たな展開を見せる
デンマークが生んだ不朽の名作
CH88は、シンプルなウェグナーらしいデザインのダイニングチェアだ。デザインされたのは1955年だが、生産が開始されたのは、つい昨年のこと。
1955年にスウェーデン南部の都市ヘルシンボリで開催された「H55(ヘルシンボリ国際デザイン博覧会)」に出展されたプロトタイプをもとに、ウェグナーの生誕100周年を記念して製造されたモデルなのだ。
細身で直線的なスチールフレームと曲げ木の滑らかなライン。構想から60年もの時を経てもなお、古臭さを感じさせないどころかインテリアに新鮮な息吹を吹き込むような普遍的な美しさがある。
発売直後から世界中で注目され、高く評価されているCH88。今回、新たにカラーバージョンが追加されることとなった。「レッドブラウン」、「オレンジレッド」、「ペトログリーン」、「ナチュラルホワイト」、「アントラサイトグレー」、「ナイトブラック」の6色がラインナップに加わる。
ハンス J. ウェグナー自身が選んだカラーコレクション
インテリアの可能性と愉しみがさらに広がる
CH88の新たな展開となるカラーコレクションだが、じつは6色ともウェグナー自身が生前に提案していたバリエーション。つまり、作家によるオリジナルカラーチョイスなのだ。
デンマークデザイン・ミュージアムの展示およびコレクション担当責任者で、ウェグナーのモノグラム『Just one good chair』の著者でもあるクリスチャン・ホルムステッド・オーレセン氏は、「ウェグナーはオレンジレッドとグリーン系の色をとくに好んで使った」と述べている。今回のカラーコレクションにもしっかりと組み込まれている。
座面とバックレストのウッド部は、ピーチ材、オーク材、そして6色展開の塗装仕上げから選択可能で、スチールの脚部はステンレススチール、クローム、ボディと同じ6色のパウダーコートが用意される。さらに座面にはファブリックまたはレザーのクッションを付けることもできる。
カラーコレクションの登場で、バックレスト、座面、フレームの組み合わせによるバリエーションは格段に豊富になった。
同じ色で統一したり、複数の色を組み合わせたり、よりいっそうインテリアの演出を楽しめる。4脚までスタッキングできるので、ゲスト用のチェアにもおすすめだ。
CH88
デザイナー:ハンス J. ウェグナー
サイズ:W57×D44.5×H76.5/SH44.5 cm
カラー:Base / ステンレススチール、クローム、スモークドクローム、
レッドブラン、オレンジレッド、ペトログリーン、
ナチュラルホワイト、アントラサイトグレー、ナイトブラック
価格:5万5000円~(税別)
ハンス J. ウェグナー Hans J. Wegner
(1914 -2007年/デンマーク)
20世紀を代表する家具デザイナー。デニッシュデザインの海外進出に大きな役割を果たしたほか、1950年、60年代、家具へのイメージを一掃するような家具を次々と発表。また、椅子のデザインを追求し、500以上のデザインを手がけていることから、椅子の巨匠として世界中で知られている。構造的にも意匠的にも完璧といえる接合部が、ウェグナーデザインの特徴でもある、これはウェグナーの素材への探究心と木材に対する深い造詣があるからこそ実現できたデザインといえる。一方、ミニマリスティックでオーガニックなフォルムも、ウェグナーデザインの大きな特徴となっている。
カール・ハンセン&サン ジャパン