せきねきょうこの気まま旅
[第21回]フォション ロテル パリ Fauchon L’Hôtel – Paris ~フランス~
甘くて美味しいホテルの誕生!パリ伝統のエレガンスと共に
パリ発の高級スィーツやグルメなアイテムとして、最も日本に馴染みの深いフランスのブランド‘フォション’が、歴史上初となるホテルをオープンさせました。場所は、当然ともいえるマドレーヌ広場です。1889年、マドレーヌ広場に本店を創業以来、この広場はマドレーヌ寺院とフォションというブランドが、切っても切れないイメージをつくりあげてきたといっても過言ではありません。 ホテルのオープンは、2018年9月1日でした。今から2年ほど前には、すでにフォションは、2018年のホテル開業を世界的に公に示唆し、日本でもそのプロモーション・ランチが開催されたほど力が入っていました。「まだ随分先の話…」と、そのとき以来、待ちに待ったホテルがオープンしたのですから、開業して半年以上が過ぎた3月、春を待ちわびるパリに向かいました。
マドレーヌ寺院と対峙するように建つホテルは、最高のロケーションを慈しむかのように、どの客室からも寺院が目の前に聳えています。館内に入ると、レセプションデスクには、フォション自慢のスィーツのひとつであるヌガーがガラスのポットに詰めてあり、‘お好きにどうぞ!’とばかり、蓋が明けられていました。また、チェックインの手続きをした隣接のライブラリィには、各テーブルに、あの余りに有名なカラフルなマカロンが…、思わず手が伸びました。
ホテルの客室は全54室。そのうち17室がスィートルームです。それぞれに異なるタイプの客室は、どこもフォションのアイコン・カラーである黒や、ショッキングピンク、ゴールドやシルバーがさりげなく使われて、マテリアルの上質さと相俟って高級感が演出されています。ビビッドな色遣いがありながら、それでも室内に落ち着きを感じるのは、建築家リシャール・マルティネとアトリエ・パリュエル・マルモンが創り出した、白を基調とした絶妙なカラーリングのバランスにあるのでしょう。天井高もあり、新しさの中にフォションならではの個性が輝いています。
驚きは、室内に置かれた洋服ダンスのような大きな‘グルメバー’にもありました。両開きのドアを開けると、下半分は冷蔵庫、上半分は棚になっていて、なんとそこにはフォションのマカロンを始め、クッキーやチョコレート、キャラメル、マスタード、ジャム、オリーブのタップナードなど、店舗で販売されているフォションのアイテムがずらりと並んでいました。「これらはすべて、ゲストへのプレゼント」と聞いて、なるほど甘いホテルなのだと納得です。
ホテルのコンセプトが「グルメなホテル」と言います。1階にあるカフェ・フォションでは、フランス料理を基本としたフォションのオリジナル料理が楽しめる他、もちろん、フォションの人気アイテムでもあるフレイバーティーの数々の中から、ティーやスィーツをたっぷりと楽しめます。マドレーヌ寺院を目の前に、‘パリ’ステイが満喫できるホテルのオープンです。
文/せきねきょうこ
せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数、現在、新刊出版を準備中。
Fauchon L’Hotel – Paris
4 Boulevard Malesherbes, 75008 Paris, France
https://ja.hotel-fauchon-paris.fr/akusesu
Tel: (日本) 電話: (03) 5436 8110
リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールド 0120 086 230
部屋数:54室(内17室がスィート)
施設:カフェ・レストラン、ライブラリ、ラウンジ、スパ、他、
アクセス:シャルル・ド・ゴール空港から車で40分。
(マドレーヌ広場)