せきねきょうこの気まま旅

2018.03.23

[第9回]プーケット・タイ/アマンプリ
美学を貫いた「アマンプリ」誕生から
今年で30年、世界に祝杯が舞っています!

リゾートのパイオニアとして、アジアや世界各地でのユニークな体験を提供し続けるアマン。その原点となるタイ・プーケット島の「アマンプリ」が、今年で30年を迎えました。止むことなく理想を追い続けるアマンの改革を知りたいと、あらためて「アマンプリ」を堪能してきました。

 

(上)初めて世に登場したアマンは、30年前に創業されたこの「アマンプリ」。当時からミッドナイトブルーのタイルを使ったプールは話題となっている。 (下)ゲスト用の宿泊棟はヤシの木と緑に囲まれたこのパヴィリオン。

 

 

アマンのリゾート伝説は

「アマンプリ」から始まった

 

1988年、タイのプーケット島に誕生した「アマンプリ」は、それまで世界中の憧れであったどんな豪華リゾートにも負けない優雅さと、リゾートと言う名の原点となる幾つもの条件を破り、唯一無二のリゾートとしてデビューしました。

 

この時以来、贅沢なリゾート通やトラベラー達、旅行会社など、多くの人々のリゾートへの概念をすっかり変えてしまった逸話は数知れず、今なお伝説として残っています。

 

交通の便の悪い辺境のロケーション、採算を度外視したかのような贅沢さ、当時は通常の10倍以上もの設定がされた高い宿泊料金など、それまでの常識では考えられない条件のリゾートでしたから、「この辺鄙な場所に高い料金で誰が来てくれるのだろう」と、周囲はあっけにとられたといいます。

 

落ち着いた雰囲気のベッドルームは高級感たっぷり。30年も前のデザインは今も全く古びることなく美しい。

 

しかし、間もなくして米国のニュースレター「アンドリュー・ハーパー」でのハイダウェイレポートに於いて、リゾート部門の初受賞を受けたことで、アマンの世界的躍進へとつながっていきました。周囲の思惑とは違いアマンプリは大成功を収めるに至ったのです。

 

次々と誕生するアジア各国での個性的なアマン誕生に、世界中の先進的トラベラーの琴線は次々と刺激され、すべてのアマンに泊まり歩く‘アマンジャンキー’と呼ばれる熱狂的なファンまで現れることとなったのです。そんな愛すべきアマン初のリゾートが、今年、早いもので30周年を迎えています。

 

サラ(離れ)が設置され、シエスタにも食事にも優雅なひとときを過ごせる。

 

(左)プールのそばに造られたビーチへの印象的な階段を降りると、そこには美しい弓型の砂浜が広がる
(右)海風を受けながらのんびりと過ごせるビーチ&ラウンジ。

 

 

30周年を機にさらに進化し続ける

「アマンプリ」の大改革

 

現在は世界21カ国に31軒のリゾートを展開しているアマン。タイ・プーケット島の西海岸に佇み、誕生した頃には、まだプーケット島はリゾート島というより、静かで隠れ家的な島として椰子の木に覆われたプライベートな雰囲気が残る島でした。

 

アマンプリは、客室にもメイン棟にも、古都アユタヤに伝わる歴史的なタイ建築様式を採り入れ、美しいアンダマン海に面したプライベートなパンシービーチに面して建てられています。ココナッツ椰子の林に囲まれ点在するパヴィリオンやヴィラには、屋外のサンデッキやプライベートダイニングのサラが設置され、波音を聞きながら寛げる静謐で平和な時間が流れています。

 

敷地の中央には世界で初めてという、ミッドナイトブルーのタイルを利用した26mのインフィニティプールが造られています。そのプールを囲むようにデッキやパラソルが置かれ、ダイニングのあるメイン棟もプールに面しています。

 

世界中のアマンに登場したのが日本食レストラン「NAMA」。そしてメインダイニングのイタリアン「ARVA」。

 

そのアマンが、今、また大きく変わろうとしています。30周年を機に、新たに誕生したのは、世界共通でアマンが推薦する、新コンセプトのメインダイニング、イタリアン「ARVA」です。「季節の恵みを活かしたシンプルで誠実なイタリア料理、その土地の山や海での収穫と季節の恵みに感謝し、イタリアの食文化の歴史にインスパイアされた」と謳います。確かに美味しいナチュラル感は、ホテル滞在をより楽しいものにしてくれるでしょう。

 

アマンは、スパにおいても驚くような大改革を成し遂げました。本格的なスパジャーニーは、予約の1時間前にスパに入ることを薦め、禊(みそぎ)の時間から始まるといいます。東洋と西洋の医学を礎に、ひとり一人に合う健康法を見出し包括的なトリートメントやジャーニーを提供しています。すべてのパートでこうしてクオリティを高め、滞在が快適で素晴らしい休暇となるよう努力を厭わないことに頭が下がります。

 

(文・写真/せきねきょうこ)

 

せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト

スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数、今春、新刊出版を準備中。

http://www.kyokosekine.com

 

AMANPURI

アマンプリ

住所: Pansea Beach, Phuket, 83000, Thailand

電話:+66-76 324 333、または +66-76 316 100

問い合わせ先:アマン共通:日本語フリーダイヤル0120-951-125(10時~19時)

部屋数:パヴィリオン40棟、ヴィラ44棟、

施設:レストラン(イタリア料理、ビーチレストラン、ビーチクラブ、ラウンジ、日本食レストラン)、スパ、プール、ショップ、豪華木製ボートクルーズ、他

料金:US$.700~(いずれも1泊室料、参考価格、要問合せ)

amanpuri.com

©Aman

 

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