せきねきょうこの気まま旅
[第3回] バンヤンツリー・麗江/中国
海抜2000mの世界遺産の美しい山岳都市と
おとぎ話の舞台のようなリゾートに行きたい!
東洋のベニスともいわれる中国・麗江(リージャン)。趣のある橋がかかる水路や、古い家並みに沿って玉石を敷いた通りなど、おとぎ話に出てくるような古都です。そんな美しい景観に恵まれた「バンヤンツリー・麗江(リージャン)」は、手つかずの環境と民族的な魅力を醸し出した高級リゾート。今回は美しい中国奥地の町・麗江を訪ねました。
おとぎ話が現実になったような町
中国奥地の山岳都市・麗江
山岳都市であるにもかかわらず水の都‘東洋のベニス’と称される美しい中国奥地の町‘麗江’。
1126年にナシ族によって建設された町は海抜2400m、1997年にユネスコの世界遺産に登録されました。「古風な趣のある橋がいくつもの整然とした水路にかかり、玉石を敷いた通りがすばらしい建築物に沿って伸びる、おとぎ話が現実になったような場所」(地元観光局)と謳われているのです。
町には3つの世界遺産があり、世界文化遺産(麗江古城など)、世界自然遺産(海抜5000m級の玉龍雪山など)、世界記録遺産(トンパ文字)がそれぞれに注目されています。町が文化遺産となった理由は、ナシ族、漢族、白族、彝族、チベット族の特徴が顕著な建築群が残り、民族の発展史や都市建設史の貴重な生きた遺産として継承するに値すると認められたからでした。
トンパ(東巴)文字とは、中国雲南省のナシ族で現在もなお使われ続ける世界 唯一の生きている象形文字のこと。
信じられなかったのですが、実際に文字を観ると、遥か太古の昔(文献でしか知らない世界だが)、日本でも先人たちによって象形文字が使われていた時代にタイムスリプしてしまいそうです。そんな麗江までの行程は昆明を経由して、さらに600kmも離れた位置まで飛ぶ容易くない旅でした。
でも、トンパ文字を有するナシ族自治県の中心であり、今や希少となった少数民族の伝統文化を継承し、さらに美しい家並みが保護されるなど、世界遺産の観光地にどうしても訪れたいと、私のように世界中からロマンを求めてこの地に旅行者がやってきます。
伝統ある古都にふさわしい美しいリゾート
「バンヤンツリー・麗江」
「バンヤンツリー・麗江」は、賑わう町の中心から車で20分余りの郊外にあります。オープンは2006年10月。
バンヤンツリーの核をなすコンセプト‘地域伝統に敬意を払う’意志そのままに、このホテルにおいても、麗江古城の典型的な民家の造り「三坊一照壁、四合五天井」を模して建てられています。
瓦屋根の中央部は弓形に凹んだ特徴的な形を成し、白壁の土塀や水路なども、周辺の伝統的な民家と趣は変わりません。私たち旅人には異国情緒そのものであり、人々の身に着ける民族衣装の数々も、また、広東料理や雲南料理、宮廷料理など食文化も独特の珍しさに溢れかえっています。
因みに、あまり日本では知られていない雲南料理とは、山の幸、豊富な天然食材を用いて作られており、幾つもの少数民族の食習慣が融合されて生まれたものといわれ、それが雲南料理として今に継承されているといいます。中でもチベットの火鍋、ローストバーベキュー、ヤクの肉入りビーフンを始め、地元産の松茸料理や豊富なキノコの故郷らしい数々のキノコ料理も知られています。
リゾート内には本格的スパが設置されています。雲南省の天然成分であるパール・バーリー(丸麦)、赤米、薬用ニンジン、緑茶などを用い、肌に栄養分を与えるフェイシャルやボディテラピーの他、古くから伝わる民間療法や漢方薬を使用するセラピーなど、麗江独自のメニューが提供されています。
数々の世界的な賞を受賞しているスパで、ホリスティックな現地のトリートメントに癒されるのも旅の楽しみであるに違いありません。
(文・写真/せきねきょうこ)
せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数、2018年春の新刊出版準備中。
Banyan Tree Lijiang(バンヤンツリー・麗江)
住所:Yuerong Road, Shuhe Gucheng District,
Lijiang Yunnan 674100 China
電話:(+86)888-533-1111
http://www.banyantree.com/ja/cn-china-lijiang
部屋数/126室
料金/ガーデンスイート・キング:1,749元(約29,713円)~/泊
日本語予約フリーダイヤル:0120-778-187