せきねきょうこの気まま旅
[第22回]Villa Mahabhirom
ヴィラ・マハビロン
~チェンマイ/タイ~
タイの古都チェンマイの旅、
ヴィンテージ・ヴィラで過ごす休日
世界中の旅人に圧倒的な人気を誇るタイの歴史的な町、チェンマイ。その中心地から車でわずか5分ほどの閑静な一画に、個性派のヴィラが誕生したのは2016年10月でした。その名は、「Villa Mahabhirom」(ヴィラ・マハビロン)といい、‘偉大なる歓び’という意味を秘めています。
初めて訪れたのは、オープン直後の3カ月後でしたが、続いて、2年後にも再訪しました。できるはずだったスィートルームが完成し、お料理にも変化が表れていました。そして、ゲストの多くは自分の別荘に暮らすように、複数日の滞在をゆったりと楽しんでいます。
ヴィラを造ったオーナーは3名のタイ人男性です。彼らは、以前からリゾート「アマン」に魅せられ、アマンジャンキーとして世界中のアマンを訪れ、「いつの日か、自分たちも素敵なホテルを」と考えていたと聞かされました。もともとタイの贅沢なアンティークハウスのコレクターであった3名は、自分たちが集めた何軒ものヴィラを、偶然に見つけた今の敷地に移築したのです。それぞれのヴィラは、時間をかけ、膨大な設備投資をし丁寧に再現され、独特な感性のリゾートとして蘇りました。 すべてのヴィラが、かつてタイの財閥や貴族たちが住んでいたという100年以上も前の贅沢な建物です。また、広い敷地内には地元のアーティストに依頼したという絵や彫刻の他、世界中から集めたオブジェなどが点々と飾られ、敷地内は不思議なムードが醸し出されているのです。
もともと手の込んだ贅沢なアンティークハウスは、手を加えながらも、当時の雰囲気を残し、また匠が施した建築の芸術品などはそのままに使われています。部屋数は全14室。泊まらないとリゾート内には入れない、プライベート感が漂う温かな雰囲気は、「自分の別荘のように過ごして欲しい」と願うオーナー達の想いが伝わってきます。
ダイニングでは、女性シェフの作る‘ママ・キュイジーヌ’が提供されています。家庭料理とは言わないまでも、まるで母親が子供に作るように、安全でヘルシーで美味しい食事をと考え、敢えて‘ママ’を料理のコンセプトにしているといいます。とはいえ、美味しくてモダン、見た目も美しいタイ料理に毎回の食事時間は大いに楽しみです。アフタヌーンティーも心のこもったオリジナルが提供され、一度チェックインすると、敷地内から出ることなく、プール際で寛ぎ、スパでトリートメントを受け、グルメな食事に舌鼓…。隠れ家リゾートの豪華なヴィラで過ごす’何もしない休日’を満喫することになるのです。
文/せきねきょうこ
Photo:Villa Mahabhirom
せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数、現在、新刊出版を準備中。
Villa Mahabhirom
62 M.10T. Suthep A. Muang Chiang Mai,50200 Thailand
http://www.villamahabhirom.com/
☎︎: (+66)053.271.200
客室:全14室(ヴィラ)
料金:THB 10,400++より(朝食付き・2名使用の室料参考価格)
連絡:直接現地かメール、又は各旅行代理店