デザインセレクション
日本のモノづくりを活かした商品を展開
「WDH」が浅草「まるごとにっぽん」に誕生
浅草にグランドオープンしたばかりの商業施設、「まるごとにっぽん」。日本文化の新たな発信地となり得るこの場所に、メイド・イン・ジャパンが誇るモノづくりへの伝統技術を活かした商品を扱うショップ、「WDH(ダブリューディーエイチ)」がオープンしました。これが初の直営店ということで、さっそくお店に足を運んでみました。
東京の観光名所・浅草の「まるごとにっぽん」にオープンした
「WDH(ダブリューディーエイチ)」初の直営店
浅草にいながら地方の魅力を体験&再発見できる商業施設、「まるごとにっぽん」が、昨年の12月17日にオープンしました。場所は、観光客で賑わう浅草六区通り。
4階からなるフロアには、47都道府県の古き良き食文化や伝統技術が一堂に会し、施設内をひととおり巡れば小旅行気分が味わえます。平日にもかかわらず施設内は賑わい、早くも浅草の新たなランドマークになりそうな予感。
そんな魅力ある「まるごとにっぽん」の2階に、「WDH」が初の直営店をオープンしました。「WDH」は、日本の伝統技術を活かしたものづくりが生み出す製品を通じて、上質なライフスタイルを提案するブランド。
店名にもなっている「WDH」とは、人がものを購入する際に必要とするサイズ(幅・奥行き・高さ)の略。常に幅広い製品を生み出し、人々のライフスタイルの奥行きを深め、実用的で経年変化を楽しめるものづくりを目指しています。
以前「SUMAU」でも、「動物縁起もりしお」という、盛り塩器を紹介したことがあります。
「WDH」はこれまで、自社のWebサイトやインテリアセレクトショップでの販売を中心に行なってきましたが、今回直営店ができたことで、店頭で一連の製品を見て、実際に手に取り、じっくり吟味しながら購入できるようになりました。
製品の一つひとつに詳しい説明書きも添えられ、製品のことがわかりやすくディスプレイされているのもうれしいところ。
日本の伝統技術やこだわりを凝縮し、
職人が手作業でつくりあげる
「WDH」で販売されている製品は、すべてオリジナル。代表である川名幸司さん自身が、これまでの販売や商品開発の経験を活かし、全国各地の職人さんに声をかけ、ゼロから一緒に製品の制作を行なっています。
その際に川名さんが意識していることは、製品全体のトーン&マナーがきちんと守られていること。製品どうしを一緒に置いたときに違和感がないよう、デザインやサイズ感を計算しているそうです。
中でも興味深いと感じたものが、「置き風鈴」。軒先だけでなく、玄関などでも季節を問わず楽しめるというコンセプトの風鈴で、店内でも人気の製品なのだそう。これは、夏の終わりに軒先に下げた風鈴をしまうのが寂しく、何かかけておくものがあれば……と思ったという川名さん自身の経験と発想から生まれたもの。
風鈴立てには静岡の伝統工芸である竹細工が施され、その繊細なフォルムからは、手間ひまかけた細やかな手作業が見てとれます。職人が追求に追求を重ねたという表情の異なる2種類の音色にも、ぜひ注目したいところ。
日本の伝統文化は、製品以外のところにも活きています。パッケージには、古くから縁起が良く湿気に強いということで使われてきた桐箱を使用。
アクセントに真田幸村の父が丈夫な紐として愛用していたという「真田紐」を使用しています。パッケージごと、長く大切に保管できる。そんなところにも、ブランドのこだわりが垣間見えます。
「直営店ができたことで新しいお客様も増えるので、常に飽きさせない売り場づくりを考えたい。ここに来るといいものが見つかって楽しい気持ちになるなど、お客様の満足感を促すことができればうれしいです」と川名さん。
そのためには、お客様の要望を受けて、製品をより使いやすくリニューアルするなどの策も考えているそうです。
現在、木や布といった素材に着目して新たな製品案を練っているそうなので、今後の展開も楽しみにしたいですね。
個人的には、自分の気になる製品を見つけることで、日本の伝統文化や伝統技術をもっと深く知りたいという好奇心が生まれる。「WDH」は、そんな場所でもあると感じました。
この機会に、あらためて日本の伝統文化の魅力に触れてみてはいかがですか?
(取材・文、開 洋美)
WDH(ダブリューディーエイチ)
住所:東京都台東区千浅草2-6-7
まるごとにっぽん 2F 和来
営業時間:10:00 -20:00