丸の内スペシャルSUMAU BAKERY BANK
東京的なるパン屋さん
〜ポワン エ リーニュ@丸の内
「フレーズ」は苺とフランボワーズのジャム。
「アラセゾン」はひと月ごとに中のジャムが替わります。4月はブルーベリーとレモンのジャム。
どちらもマスカルポーネと一緒に包まれています。
左:フレーズ 右:アラセゾン 各250円
かわいいでしょう。ころんとしていて。
ポワン エ リーニュのパンはどれを食べても、いつもおいしいなあって思うんですが、
今回はこのふたつをまずご紹介いたします。
ジャムは菓子研究家いがらしろみさんが手がける「ロミユニ」のものだそうです。
いがらしさんがポワン エ リーニュをお好きだったこともあり、このような形での夢のコラボとなったとのこと。
中のジャムもこれまたおいしいんですよー。ほわんといい香りがします。
そして、そのおいしいジャムを包み込むパンの生地が。生地が。生地がおいしい。
ああおいしいああおいしい、と唱えながら食べることになること請け合いです。
いい香りのジャムと全体をまろやかにするマスカルポーネと、繊細なくせして存在感を失わない生地と、全部合わせてお口に入れると、それはそれはしあわせなことになるんですが、生地がおいしくて最後に生地のとこだけ残しておきましたからね。もったいなくて。
その絶賛しているウワサの生地は「レジェルテ」という食パンと同じものだそうですよ!
でもきっと、レジェルテとして食べるのとは違う食感で楽しめるんだと思います。
レジェルテも一緒に買って食べ比べてみたりなんかしちゃったら楽しいでしょうねーあははー。
中身はこんなです。
ブルーベリーしか見えませんけど、レモンの酸味も確実に存在していて、意外だけど(意外じゃないの?)
いい組み合わせでした。
フレーズの上に乗っかっていたミントは外して食べたのですが、ミントの風味がパンに移っていて、
その爽やかさがいいアクセントになっておりました。
ちなみに5月のアラセゾンはプルーンとアールグレイのジャムになるようです。これまた魅力的。
続いてサンドウィッチもご紹介しておきたいのです。
サンドウィッチはランチタイムに出る分だけなので、どうしてもこれは見逃せないという方は、
気合いを入れてお昼時に行かれることをオススメします(スモークサーモンの他にも数種類あります)。
スモークサーモンと野菜のサンド 380円
このサンドウイッチに使われているパンは「ルパ」。砂糖や油脂が入っていない胚芽パンです。
他のサンドウイッチにも言えることですが、もちろん中の具材も奥の厨房で作られているものです。
スモークサーモンに添えられているクリームが濃厚で、葉っぱもしゃきしゃきしていて、食べてて楽しかった。
これからの季節、野外で食事をしたい時にぴったりですね。皇居外苑か。はたまた日比谷公園か。
とはいえ、お店の奥にはステキな内装のバールもあります。
▲日の入らない地下の空間に光が差すようなイメージで作られたという、ピンクの壁。
内装や商品を並べるための什器やら、いろんなところにこだわりが見られますが、一番のこだわりはやっぱり商品そのものに対してなのだろうなあと思いました。
「タマゴタルタルのサンド」(300円)も複雑な味がして大好きなのですが、今度これにコルニション※4が加えられるそうです。そういう改良も随時行われていて、よりおいしいものを、安全に、丁寧にという情熱が伝わってきます。
お洒落なだけじゃないんですよねえ。
というわけで、最後になりましたが。ポワン エ リーニュといえば。
アンビザー 180円
あんぱんです。紛れもなく。
さらりとしているけどコクがある餡は、黒糖が使われているからでしょうか。
口に入れようとする瞬間に、オリーブオイルが香ります。とても個性的。
並んでいるパンどれもが、その昔外国からやってきたパンを飲み込んで消化して東京的なものに作り上げました。という
感じです。
東京の玄関口から洗練されたあんぱんを発信する(あんぱんだけじゃないしね、と怒られそうである)…。
そんなこんなで(どんなだ)次回へは「個性派あんぱん」でつなげて参ります。
どうぞお楽しみに。
ポワン エ リーニュ
住所:東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング B1F
電話:03-5222-7005
営業時間:平日 11:00~22:00、土曜 10:30~22:00 、
日曜・祝日 10:30~21:00
定休日 : 無休
HP : http://point-et-ligne.com/
★ BREAD WORD BANK……本文中の専門ワードをひと言解説
※ 1 【ヴィエノワズリー】折り込みパイ生地を中心とした、主に朝食やおやつで食べられるパン。
“ウィーン風”という意味。
※ 2【フィユタージュ・アンヴェルセ】逆折り込みパイ
※ 3【木製チャーン】バターを作る際に使うかくはん機
※ 4【コルニション】きゅうりのピクルス
(写真&文・マツナガナオコ)
PROFILE マツナガナオコ
佐賀県出身。2009年よりフリーランスのカメラマンとして活動中。料理写真家のアシスタント時代にパン愛に目覚める。趣味は茶道。このところ語学にも精力的に取り組む(ヨーロッパにパンを食べに行くため)
>パン画像蒐集ついでのパン屋ガイドブログ
※ 掲載商品の価格は、消費税を含まない本体価格です(2014年4月23日時点)。