ライフスタイリスト

2014.08.27
帰国後、地中海料理メインの

料理教室をスタート

 

 

――目指したスタイルはやはりシドニー風?

 

少人数に限定して、リラックスできる雰囲気は大切にしたいと思っていました。あとはワインが好きだったので、料理に合わせたワインと、チーズの楽しみ方についても紹介したいと。料理のジャンルはシドニーで習ったハーブやスパイス使いを取り入れ、ワインにも合う地中海料理をメインにしました。

 

エリアも白金や高輪などに絞り、新しいものを取り入れることに関して積極的な方をターゲットとしたので、集まった方の感度も高く、お互いで情報交換を活発に行えたのも狙い通りでした。海外を行き来する方も多かったので、珍しいスパイスや食材を試したり、私自身が学ぶことも多かったのも収穫ですね。

 

世界各国の料理を学んだ経験をベースに、枠にとらわれない 自由でオリジナリティ溢れるレシピを提案。

世界各国の料理を学んだ経験をベースに、枠にとらわれない

自由でオリジナリティ溢れるレシピを提案。

 

 

――その後は、さらに活躍の幅を広げられたと伺っていますが。

 

口コミでケータリングのお仕事をさせていただいたり、男性向け料理教室の講師を務めたりもしました。それと同時に、フードコーディネーターの学校にも通って、プレゼンテーションの仕方などを学び、料理の幅を広げるよう努力もしました。海外に何度も出掛け、行く先々でいろんな調味料や食器を買い込んだり……。

 

レシピ考案から料理制作、コーディネイトまでもこなす。

レシピ考案から料理制作、コーディネイトまでこなす。

 

 

――そして、SUMAUで「Season’s Home Deli」の企画をご担当いただくようになったのですが、この企画で心がけていらっしゃることは?

 

ふつうの家庭料理というよりも、話のきっかけになるような、ちょっとひねりの効いたものや、おしゃれなお料理を紹介したいと思っています。住まいへこだわりを持つ方って、人生をより豊かに楽しみたいという気持ちが強いと思うのですが、その方たちをも満足させられるような料理。ホームパーティに合うような料理を紹介する一方で、たとえばご夫婦でおしゃべりを楽しみながら、ワインと軽い食事を楽しむような和やかなシーンも思い浮かべつつ、レシピを考えています。ワインに合うスターターが多いのもそのせいかもしれません(笑)。

 

さらに、あまり知られていないポルトガルやトルコ、ギリシャといった、世界各国の料理も意識的に取り入れるようにしています。それぞれの国の文化や気候、食習慣を背景にした料理には、マンネリ化脱出のヒントがいっぱい。たとえば、今月紹介した「すいかとフェタチーズのサラダ」はギリシャの伝統料理ですが、すいかとチーズの組み合わせって、日本人では考えにくい発想ですよね。でもこれがおいしいし、見た目もすてき。

 

ほかにもポルトガル料理の「豚肉とあさりのアレンテージョ風煮込み」や「豆のサラダ」も、生徒さんたちに好評だったメニュー。これらの料理にはそれぞれの国の食材やお酒、調味料などもよく使いますが、それも最近は輸入食材店やインターネットなどで、気軽に手に入るようになったので、ぜひ活用してほしいと思います。より本格的な味わいになりますから。

 

フェタチーズや、アニスのリキュール「ウゾ」など、各国のチーズやお酒、調味料を活用するだけでなく、食材との組み合わせのコツもアドバイス。

フェタチーズや、アニスのリキュール「ウゾ」など、各国のチーズやお酒、

調味料を活用するだけでなく、食材との組み合わせのコツもアドバイス。

 

 

トルコやモロッコでは、雑穀や豆類を日常的に使うことが多い。 それらを活用したレシピも人気だ。

トルコやモロッコでは、雑穀や豆類を日常的に使うことが多い。

それらを活用したレシピも人気だ。

 

 

――仕事を離れて、プライベートではどんなふうに過ごしていらっしゃいますか。

 

以前はヨットに乗ったり、ゴルフや釣りを楽しんだり、いろいろなお教室に通ったり……といった具合で、自分投資に余念がなかったのですが、最近はだいぶ落ついてきて(笑)、休みの日はゆっくりと食事を楽しむなど、家時間を楽しむことが多いかな。

 

気分転換としては、着物を着て気持ちのスイッチを切り替える、ということでしょうか。以前から着付けは得意だったので、わりと苦にすることなく、思いついたときにさっと着られますし、帯を締めると違う自分になる気がして。外で食事をするときや、ちょっとした集まりに着物を着て出掛けることで、シャキッとした気分になりますし、周りの目も変わりますから、おすすめですよ。

 

着物を着て気分転換。右は、パリ近郊・シャンティイで行われた競馬「エルメス杯」を観戦したときのもの。

着物を着て気分転換。右は、パリ近郊・シャンティイで行われた競馬「エルメス杯」を観戦したときのもの。

 

 

――さらに、今後についてお考えになっていることを教えてください。

 

食はわたしにとっての大事な軸のひとつなので、食を通じての情報発信はこれからも続けていきたいと思っています。それと同時に、多くの人のために何かできることはないか、と考えるようになり、カウンセリングを学んで、カウンセラーとしての仕事もスタートしました。おいしいお料理から笑顔が生まれるように、たくさんの人が心身ともに豊かに笑顔で過ごせるよう、メンタルサポートの分野にもより力を注いでいきたいと思っています。

 

 

(文・原口りう子 写真・松永直子)

 

料理研究家/フードコーディネーター

久須美 光子

東京都港区生まれ。料理は1990年頃より和・洋・中・インドとジャンルを問わず習い始め、2003年に渡豪。シドニーで出会ったギリシャ人女性シェフから、モロッコやトルコを含む地中海料理全般を教わる。帰国後、フードコーディネーター資格を取得し、会員制地中海料理教室をスタート。フランス食品振興会主催コンテストなどでの受賞歴を持ち、数々のメディアで活躍する一方で、最近は男性向け家庭料理教室も開講している。