ライフスタイリスト
ソーシャルアパートメントを展開
住人同士の交流の場を提供する
山崎 剛さん
グローバルエージェンツ社長
山崎 剛(やまさきたけし)
2005年、東京工業大学在学中に有限会社グローバルエージェンツを設立。大学卒業までに1物件をオープン。2006年、ゴールドマン・サックス証券株式会社に新卒入社。グローバルのファンド資金を利用した国内の不動産投資に携わる。2009年にゴールドマン・サックス証券を退職し、株式会社グローバルエージェンツ代表取締役に再就任。
ソーシャルアパートメント麻布十番のラウンジ。オシャレなカフェの雰囲気だ
入居者同士がラグジュアリーな空間で交流を楽しむ
新しい一人暮らしのスタイルを提供
―― 一人暮らしのライフスタイルを変えた、ソーシャルアパートメントのコンセプトをお聞かせください。
賃貸住宅内にラウンジをつくることで、住人同士の交流を楽しむ新しいライフスタイルを提供するのがソーシャルアパートメントです。従来のシェアハウスでは体験できない、デザイン性の高いラウンジと呼ぶ共用部を設けているのが特徴になっています。
入居者同士が集まる交流の場として活用してもらい、そこでの人脈を通してコミュニケーションの輪を広げてもらう。いわばリアルな交流のプラットホーム化を目指しています。
現在、関東を中心に24棟、約1224戸を展開。入居者もこれまでに5000人を突破しました。シェアハウスでは疲れるし、普通のマンションじゃ面白くないという高感度な方たちに大変好評を得ています。ラウンジというコミュニケーションの場からは、これまでにない出会いが生まれ、意気投合した住人同士で起業したケースもあります。
――起業されたのは大学生の時ですね。
大学1年の時にロンドンに留学をして一人暮らしをしてみると、下宿先でのイギリス人との交流がとてもいい体験になったんですね。帰国後も寮や外国人ハウスに住んだことから、それまで出会うはずもない人たちから多くのことを学びました。
業種を超えて人と交流することで人生が変わるかもしれない。そうした経験を生かして、日本の住居でもコミュニケーションの場をつくることができるのではないかと思いました。
また、あの頃はネットの世界でソーシャル化が登場してきた時期で、自分自身もネットでの交流を楽しんでいました。こうしたSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)に可能性があるのであれば、もっとリアルな場でもソーシャル化を進められるのではないかと考えました。
SNSがコミュニケーションの形を多様化していくように、同じ建物の中に住人同士の交流の場があることで、友人の輪がどんどんつながっていく。このコンセプトでソーシャルアパートメントの1棟目を蒲田にオープンしました。ちょうど大学4年生の時でした。
「交流の場であるラウンジは、プライベートでもパブリックでもないセミパブリックな空間。このあいまいな空間を通してコミュニケーションが促進されるんです」
ソーシャルアパートメント田園調布のラウンジ。多摩川も近く自然も豊かだ。
ソーシャルアパートメント新検見川のラウンジ。都心から離れているが、音楽スタジオもあり外国滞在経験者にも人気が高い。