世界のデザイン空間

2012.11.05

二人のカリスマシェフの競演と
注目のクリエイターたちが織り成す
温泉施設「AQUA×IGNIS」オープン

10月23日にオープンしたばかりの「AQUA×IGNIS(アクアイグニス)」。自然豊かな三重県菰野町に出現した複合温泉施設は、単なる癒しの場にとどまってはいない。世界的に有名な二大シェフが参画する食文化発信の場であり、この地に感応したアーティストやデザイナーが自らの作品を産み落とした創造の場でもある。

 

 

トップ・パティシエとイタリアンシェフが挑む

新たな温泉リゾートを求めた新機軸のステージ

 

映画「男はつらいよ」三作目の舞台として広く知られる「湯の山温泉郷」の麓。鈴鹿山脈の雄大な山々が連なり、清らかな川が流れる自然豊かな三重県菰野町に、複合温泉施設「AQUA×IGNIS(アクアイグニス)」が10月にオープンした。

 

この施設は、地元で愛されている温泉施設「片岡温泉」の移転に伴い、大規模にリニューアルしたもの。一つの大きな目玉は、カリスマパティシエの辻口博啓と、イタリアンシェフの奥田政行という二人の世界的なシェフがプロデュースするレストランやカフェ、パティスリーを併設していることだ。

 

辻口シェフは、自身の店「コンフィチュール アッシュ」を東京からこの地に移転させる力の入れよう。店内には長大なショーケースが設置され、色とりどりのスイーツがずらっと並ぶ。菰野町特産のマコモを使って開発したという「ケークキャラメルマコモ」など、新たなパウンドケーキも登場。

 

スイーツファンであれば、この一品だけで訪れる気になるだろう。11月には、辻口シェフのベーカリー「マリアージュ ドゥ ファリーヌ」も同じ敷地内にオープン。スペイン製の石釜と薪を使いこだわりのパンや焼き菓子が生み出される。

 

奥田政行シェフは、山形県庄内にある人気イタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」のオーナーシェフ。「地産地消」をコンセプトに、地元の生産者から届く食材の持ち味を最大限に引き出す料理で広く知られている。

 

自身の店は銀座や東京スカイツリーに続く出店で、西日本では初。イタリアンレストラン「サーラ ビアンキ アル・ケッチァーノ」、手軽に本格料理を楽しめる「奥田食堂」、カウンター席で割烹料理を味わえる「露庵温味」をこの地でオープンさせた。来年には肉と有機野菜の新しい食べ方を楽しめる「やくケッチァーノ」のオープンも控えている。

 

すべての店で共通するのは、食材へのこだわりだ。辻口シェフは敷地内でいちご園「TSUJIGUCHI FARM」を運営。12~5月のシーズンにはいちご狩りが楽しめるほか、収穫されたいちごはスイーツやワインにも使われる。奥田シェフは、宿泊付き会員制貸農園「畑っちゃーの」をプロデュース。会員になるとスタッフのアドバイスを受けながら無農薬野菜を栽培し、自ら収穫した野菜を使う特別ディナーも味わうことができる。

 

施設内にはステージのように開かれた大きなキッチンもあり、両シェフによる料理教室も開催される予定だ。そのほかにもウェディングや各種イベントがステージを使って催されるなど、食を核にして実にさまざまなプログラムが展開される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カリスマ的存在のパティシエ、辻口博啓が

東京・自由が丘から参加。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

辻口博啓が生み出す創作スイーツ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山形県庄内の人気イタリアンレストランの

奥田政行シェフも本格参入。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奥田政行シェフが手がけるイタリアンメニュー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

辻口シェフ、奥田シェフのレストランや

パティスリーが入る建物外観。

キッチンステージやホールもここに入っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「奥田食堂」へのアプローチ風景。