世界のデザイン空間

2012.06.28

離島で大自然と土地の文化に触れる
体験型リゾート「星のや 竹富島」

風光明媚な沖縄の離島で、伝統的な生活文化に触れながら滞在できる新たなリゾートが誕生した。従来型のリゾートホテルとは一線を画す、「星のや 竹富島」のスタイルとデザイン性を紹介する。

 

 

沖縄・竹富島の風土と文化を感じる

唯一無二の新たなリゾートのカタチ

 

これまで海辺のリゾートといえば、大型ホテルが主流であった。モダンな建物と充実した施設では快適な時間を過ごせるが、ともすると周辺の土地から浮いてしまう姿もしばしば見受けられる。

 

こうしたリゾートとはコンセプトを異にする「文化体験型」の離島リゾートが、6月1日にオープンした。

 

沖縄県石垣島から高速船で10分の距離にある、周囲が9.2km、人口350名の小さな島、竹富島。

 

目の覚めるような青い空とエメラルド色の海、白い珊瑚の砂浜が広がるこの島には、沖縄の原風景といわれる赤瓦屋根の集落が残され、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されている。また、1年を通して古くからの祭礼が数多く催されるなど、生活文化も現代に継承されている島でもある。

 

この島の歴史的景観や伝統に寄り添うように、5年の歳月をかけて48棟の家屋からなる客室をつくり上げたのは、星野リゾートだ。同社ブランド「星のや」は「もうひとつの日本」をテーマに、地域や土地がもつ魅力を引き出すように『星のや』ブランドで滞在型旅館を展開してきた。

 

竹富島は軽井沢、京都に続き3軒目。これまでと同様に星野佳路社長に加え、建築物の計画は東利恵氏(東環境・建築研究所)、ランドスケープの計画は長谷川浩己氏(オンサイト計画設計事務所)という強力チームにより別天地が生み出された。

 

「離島の集落」をつくり出そうと、広大な敷地内には、赤瓦屋根の琉球家屋や白砂の道、手積みの石垣など、竹富島の集落を再現。客室は1棟ごとに独立したコテージタイプで、宿泊客は集落の住人になったかのような滞在が楽しめる。

 

 

竹富島の琉球赤瓦の伝統家屋と同じデザインによる戸建ての客室が特徴。

「風の家」という建築コンセプト。ガラス戸を開放すると竹富の風が通り抜ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まばゆい白砂と、珊瑚の島ならではの青い海が広がる竹富島の大自然。