世界のデザイン空間

2012.05.31

瀬戸内海に浮かぶデザインアイランド
今治市伊東豊雄建築ミュージアム

風光明媚で自然豊かな瀬戸内海は、旅人を惹きつけてやまない魅力に満ちあふれている。しかし、最近ではその魅力に加えて美術館やアートに対する関心も高まってきている。

 

 

建築家個人の作品を展示する

国内では前例のないミュージアム

 

瀬戸内海の島々での美術館が展示している作品はもちろんのこと、国際的な規模のエキシビションも開かれる。そして、それらを収蔵する建築自体も、“アート巡礼”の目的になっているようだ。

 

広島県尾道と愛媛県今治を飛び石のように島々が結ぶしまなみ海道。その中ほどにある大三島に2011年7月にオープンした今治市伊東豊雄建築ミュージアムもその1つだ。

 

この美術館は日本を代表する建築家、伊東豊雄氏の設計で、また彼の作品も展示している。関東圏の読者ならば銀座の「ミキモト ギンザ2」や表参道の「トッズ表参道ビル」を目にしたことがあるのではないだろうか。それらを手がけたのが伊東豊雄氏である。

 

美術館はスティールハットとシルバーハットの2棟に分かれている。シルバーに輝くアーチ状の屋根が特徴のシルバーハットは、実は東京にあった氏の自邸を再現したものだ。

 

トッズやミキモトなど氏が国際的な名声を勝ち得て以降、ファンになった人は知らないかもしれないが、この作品は現代日本の建築史における記念碑的な作品の1つであった。

 

今治市伊東豊雄建築ミュージアムは、建築家個人の作品を展示するという国内では前例のないユニークなミュージアムなのである。

 

 

鉄板に覆われた船のデッキのようなスティールハットが瀬戸内海を臨む。

伊東豊雄氏がデザインしたモニュメント類も敷地内に展示。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幾何学パズルを思わせるスティールハットの外観。

瀬戸内の島々をモチーフにして展示するスティールハット2階のroom2。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

© Toyo Ito & Associates, Architects