世界のデザイン空間

2012.07.23

原宿の中心に新たなランドマーク
「東急プラザ 表参道原宿」が登場!

ファッションストリートとして知られる神宮前交差点に、表参道のケヤキ並木に浮かぶように城壁に囲まれた個性豊かな建物がたち現れた。斬新な形状や外から垣間見える樹木の緑は、何を意味するものだろうか?

 

 

表参道の街並みに浮かぶ天空の屋上庭園に囲まれながら

都心の異次元空間でショッピングを満喫

 

ファッションブランドの旗艦店が並ぶ表参道・原宿エリアに、新たなランドマークが誕生した。

 

表参道と明治通りの交差点に姿を現した外観は、凹凸のかたちをもつユニークなもの。凹凸の間からは木々の鮮やかな緑が垣間見え、ガラスの窓越しには買い物を楽しむ人々の姿が見受けられる。

 

この商業ビルは、飲食やアパレル・雑貨店の入る施設「東急プラザ 表参道原宿」。この界隈に精通している人であれば、ここに多くのクリエイターや文化人を輩出した「原宿セントラルアパート」が建っていたことをご存じであろう。

 

GAPがテナントを構えていたことも記憶に新しいが、ファッション・カルチャームーブメントの発祥の地と知られる由緒ある場所に、今回、時代の最先端を行く計27の店舗が入る「ファッションテーマパーク」として計画されたのである。

 

デザイン設計は、若手建築家として注目を浴びている中村拓志氏。中村氏が特にこだわったのは、日本を代表する商業エリアに、建物と樹木を一体にして自然豊かな屋上庭園をつくることであった。

 

誰もが気軽に利用できる6階の憩いの場「おもはらの森」には、ケヤキやカツラなどの樹木、また50種類以上の草花が植えられて四季が感じられるようになっている。

 

これらの緑は、表参道のケヤキ並木、そして参道の先にある明治神宮の森と立体的につながるように考えられて設けられたもの。巣箱や水飲み場も設置され、鳥などが緑を伝って屋上庭園にやってくる。

 

このオープンテラスには、中村氏がセレクトした個性的なチェアが置かれているほか、すり鉢状の段差には多角形のステップがつくられたことで、どこに座っても居心地のよい広場となっている。

 

よちよち歩きの赤ちゃんからシニアまで、建物や木々と戯れるように思い思いに、けれど一体感をもって過ごす時間は、他ではなかなか得られないものだ。同じフロアには「STARBUCKS」のコンセプトストアが入り、コーヒーや食事をテラスでも楽しめる。

 

 

神宮前交差点にお城のような外観がひと際目立つ「東急プラザ 表参道原宿」。

ケヤキやカツラなどの樹木が植えられた屋上庭園。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自然豊かな屋上庭園「おもはらの森」は、原宿の喧騒を忘れさせてくれるオアシス的な存在。