世界のデザイン空間
エントランスは万華鏡をイメージした巨大な鏡張りの空間。通りを行き交う人々も景色の一部となって映り込む。
オリジナリティあふれる建物と緑あふれるオープンな雰囲気
ショッピングだけではない、そこから得られる豊かな体験を楽しみたい
さて再び1階からこの建物を見ていこう。1階では、交差点側につくられたエスカレーターのあるエントランスに注目。
ここは万華鏡をイメージした巨大な鏡張りの空間で、クシャクシャと折り曲げられた壁や天井の面によって不思議な景色が生まれている。通りを行き交う人や車、自分たちの姿、空などが映り込む様子に囲まれながらエスカレーターを上り、この建物に入っていく仕掛けは気持ちを高揚させるものだ。
なお、道路に面しては日本初出店となるブランドなど3つのフラッグシップショップがオープン。それぞれ路面店として独自の店構えができるように、3階より上の階とはデザインが切り分けられていることも注目に値する。
エスカレーターで3階に到達すると出迎えてくれるのは、木製の大きなオブジェクト。このフロアが、この施設のもうひとつのエントランスとみてよいだろう。
天井の吹き抜けからは、「おもはらの森」につながるトップライトの木漏れ日が落ちてくる。室内にいても緑豊かな表参道らしさが感じられるショッピング体験は、やはりこの施設特有のものである。
同じ3階フロアの交差点側には、「OMOHARA STATION」と名付けられた期間限定ポップアップスペースがある。ここは「街の駅」のような存在として、旬のモノ・コトを発信・提案し続ける場所。日本では目新しいブランドなどの店舗が定期的に入れ替わっているので、訪れるたびに立ち寄ってみたい。
各店舗は、『「ここでしか」「ここだから」をカタチに』のコンセプトのもとに出店されているので、限定商品やオリジナルグッズに興味がある人は個性的なショップ巡りを堪能できるはず。
「東急プラザ 表参道原宿」は幅広い客層向けの施設ではあるが、それだけにはとどまらないオープンな雰囲気に満ちている。これまでの商業施設とは趣を異にする、オリジナリティあふれる建物と緑、そしてそこで得られる豊かな体験を楽しみたい。
(文/加藤純)