ライフスタイリスト
日本に紹介して、その良さを伝えたい
――現在の会社はいつ設立されたのですか。
今から12年前の1999年です。イギリス企業での10年間の勤務経験から、イギリスに対してフィーリングや肌が合うことが分かり、英国ブランドの専門輸入商社を設立しました。英国で1897年に創業されたグローブ・トロッターのトラベルケースなどを中心に、英国の知られざる一流ブランドの販売や卸などをして、英国のモノづくり良さを日本に紹介しています。
――プライベートでは英国車マニアでも知られていらっしゃいます。
仕事とは関係ありませんが、趣味でクルマを7台所有しています。その中にロータスが4台にレンジローバーが1台あるので、熱狂的な英国車マニアかもしれません。特にロータスは59年のエリートや65年のエランなどのようにクラシックカーばかりです。英国車の魅力は、不肖な息子だからこそ可愛いという感じですね(笑)。エリートではレースにも出場します。
英国車は自分で手をかけてやらないと完璧には走ってくれません。特にロータスは手間がかかります。ロータス・エリートは5年以上かけてレストアしましたが、結局はあまり乗れていません(笑)。乗ること以上にレストアすることが楽しいので、これも英国的なライフスタイルと言えるかもしれませんね。
自分だけの趣味を一つでも持つことで
人生が豊かになり仲間も増えていく
――そうしたイギリス流のライフスタイルを東京で行うにはどうしたらいいのでしょうか。
すぐにできることと言えば、たとえば部屋にお気入りのアンティークを一つでも置いてみるのもいいのですよね。何でもいいので古いモノを大切にする気持ちを持つことです。古い時計が好きだったらそれを集めてみるのもいい。何か一つ自分だけの趣味を必ず持つことが大切。そうすることで生活の視野も広がるし、仲間や友人も増えていきます。
イギリスにはジェントルマン・クラブという伝統的なクラブ文化があります。家庭から離れて同好の士が集まって自分たちの趣味について語り合います。イギリスでは二人集まるとクラブができると言われるほどで、趣味を通しての交流が盛んな国です。こうした人間関係を持てるのもイギリス的なライフスタイルだと思います。
自分自身、イギリス的な生活を送っていて、気に入ったものは人に何と言われようといつまでも大切に使い続けます。いわゆる〝オタク〟に近い存在かもしれません(笑)。だから今流行の、不要なモノは捨てるという「断捨離(だんしゃり)」の考えとはまったく逆ですね。気に入ったモノは付き合えば付き合うほど面白くなり、とても捨てることはできません。