アーティストインタビュー
自然のテイストをインテリアエレメントに内包させる
渡辺仙一郎さん プロダクトデザイナー

渡辺仙一郎(わたなべせんいちろう)
1974年、生まれ。1998年、東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。P.S Design Studio設立。2008年、国際家具デザインコンペティション旭川2008 ブロンズリーフ賞受賞。100%デザイン出展。リビングセンターOZONE展示。2009年、富山プロダクトデザインコンペティション グランプリ受賞。2012年にストックフォルム家具見本市とミラノ・サローネに出展する。
家具や生活雑貨に自然のテイストを内包させることで、建物の内と外をシームレスにつなげたいという思いが
「ナチュラル・エレメント」シリーズの原点
――今年4月のミラノ・サローネで発表された作品は、どれもユニークな発想力でしかもデザイン性にも優れていますが、コンセプトなどをお聞かせください。
サローネには「ナチュラル・エレメント」というシリーズで展開したんですが、直訳すると「自然の要素」という意味になります。家具や生活雑貨に自然のテイストを取り込みたいというのが発想の原点になっています。
もともと自然が大好きなんですが、それを何とかインテリアとして残して、常に自分のところに置いておきたかったところから出発しています。自然には癒しの効果があるわけですが、その自然をいかにインテリアへ取り込めるかということを考えてみました。
インテリアとしての家具や生活雑貨と、自然界とをシームレスにつなげたいということが、「ナチュラル・エレメント」の考え方になります。自然のテイストを取り込んでインテリアのエレメントをつくっていく。自然という外界と家の中という内界をインテリアでつなげていくために、「ナチュラル・エレメント」シリーズとして展開しました。
卓上庭園/ソルト&ペッパーシェーカー、トレー
料理を引き立てるテーブルウェアを自然のカタチに近づけることで、食卓に枯山水が出現する。眺めているだけで、粋な日本人の心が外の景色へと調和していく。
LEAF Chair/矢羽根柄のダイニングチェア
モダンとオリエンタルな空間との調和。クールでありながら枝に見立てた脚と、葉脈に見立てた柾目模様が、背と座面から生命感を与える。国際家具デザインコンペティション旭川、ブロンズリーフ賞受賞(2008)。