アーティストインタビュー
――こうした作風はこれからも続けていく予定ですか。
昔話を読んでいると、今と違って自然と人間との距離がものすごく近いんですね。しかも登場してくるキツネやタヌキ、ウサギたちも人間の表情や言葉で語りあったりするんです。そこには動物同士のコミュニティもあって、動物同士のだまし合いもあったりしてとても面白いんですね。
文明が発達した現代と違って、当時は人間も動物も自然の中で共存共栄していたことが民話を読むと分かってきます。いい意味で人間も動物と交流をしていたんでしょうね。今と違う感覚で生活をしていた環境を知るのも楽しいですね。
墨による筆記によって昔の生活を伝えながら、それを自分がイメージするアートとして表現していくことは続けていきたいですね。いわば今失われつつある人間と動物や自然との関係を表現しながら、昔話の面白さをカタチにしていきたい。これは古くて新しいものを作っていくという作業だと思っています。
■問い合わせ先:
東京画廊+BTAP
住所:東京都銀座8-10-5 第4秀和ビル7F
電話:03-3571-1808
平良美樹個展「イキモノ譚(ばなし)」は4月1日(日)まで開催