FEATURED ITEMS

2018.03.21

いま最もアツい調理家電No.1
「低温調理器」の実力度

長く続いた寒い冬もようやく終わりを告げ、春の気配を感じる今日この頃。新生活のスタートにあたり、ホームパーティやお花見などのイベントで賑わう季節でもある。そんなタイミングで気になるのが、巷で話題の低温調理器。今回紹介するのは、貝印からデビューした“技あり”の新製品だ。

 

第4の調理法として注目が集まる

「真空低温調理」とは?

 

2018年の注目トレンドのひとつとして、メディアを賑わす調理家電「低温調理器」。“焼く”“煮る”“蒸す”に次ぐ、第4の調理法とも呼ばれる“低温真空調理”を可能にするこの調理器、もともとはレストランなどプロの現場で使用される業務用がほとんどだった。それが、昨今の糖質オフ・ブームや欧米での人気を背景として、一般家庭用モデルが続々登場、話題を集めている。

 

そもそも低温調理とは、食材を真空または密封包装し、100℃より低い温度で湯せんする調理方法。温度を一定に保ちつつ低温加熱することで、素材の持つ旨味や栄養素、水分を逃すことなく、おいしく調理できる。そして、その微妙で面倒な温度管理を自動で行ってくれるのが、専用の低温調理器というわけだ。

 

この低温調理、肉や魚といったたんぱく質を多く含む食材の調理が得意分野のひとつ。食材が持つたんぱく質の凝固温度をギリギリ超えない温度で加熱することにより、ふっくら柔らかジューシー、旨味が凝縮された味わいが実現できるという。

 

たとえばステーキなどの肉を焼く際、焼きすぎてパサパサの食感になってしまったという経験のある方も多いと思う。これは、たんぱく質の凝固温度を超えてしまったことが失敗の一因。そうならないために、難しい温度管理を機械におまかせで、誰でもおいしく調理できるのも、低温調理器の大きな利点だ。

 

湯せんにかけるだけでは焼き目が付けられないのでは? と心配する向きもあるだろうが、湯せん前後で軽く焼き目を付ければいいだけの話。たとえば、ローストビーフなら58℃で、約50分加熱(※)。多少時間はかかるものの、ほったらかし調理が可能なので、これさえあれば料理が苦手な奥様でも、玄人はだしの料理をテーブルに並べられるというわけ。

 

※温度と時間は、専用シーラー付属の「KaiHouse aio The Sousvide Machine (カイハウス アイオ・ザ・スービッドマシーン)低温調理器を使用した場合。他の低温調理器ではさらに時間がかかる場合あり。

 

 

左がオーブンで焼いた肉、右が真空低温調理(60℃前後で加熱)した肉の断面。オーブンで焼く場合100℃以上の熱でじっくり焼き上げるが、低温調理器で調理すれば、たんぱく質の凝固や肉汁の凝縮が防げ、火が中まで均等に通りつつ、柔らかな仕上がりに。

 

 

専用シーラー&袋が付属し、

真空パックもラクラク

 

 

そしてこの春、新たに登場したのが、刃物や調理器具を扱う「貝印」から発売された「KaiHouse aio The Sousvide Machine (カイハウス アイオ・ザ・スービッドマシーン)低温調理器」だ。

 

現在、市場に出回っている低温調理器は、安いもので1万円くらいから購入できるが、この新製品、希望小売価格5万円(税抜)という高価格帯商品。ただし、もちろんその価格には、ちゃんとした理由がある。

 

最も大きな特徴は、食材を入れた袋を真空状態にするための専用シーラー(袋に封をし密封する機械)が付属していること。通常、安価な真空調理器では、市販のフリーザーパックなどに食材を入れ、手動で空気を抜く必要がある。製品によっては空気抜き用ポンプを付属する場合もあるが、やはりそれでは心もとない。というのも、密封性が低いと加熱ムラにつながり、食材の旨味を流出することになりかねないばかりか、時間が余計にかかってしまうことも。その点、専用シーラーがあれば、ワンタッチで簡単・確実に真空包装が可能なため、低温調理の実力を十分に発揮することができるのだ。

 

 

付属のシーラー。低温調理器本体に接続して使用する。水分を含むものも真空にできるほか、真空中の途中ストップが可能など、シーラー単体としてもなかなかの優れモノ。W382×H50×D75㎜。重さ500g。

 

 

ほぼ機械まかせの

“ほったらかし調理”で失敗知らず

 

さて、ここからは実際の使い方を説明していこう。

 

まずは、水を入れた鍋(または耐熱容器)を用意、本体の大型クリップで鍋のフチを挟んで固定したのち、本体の液晶パネルで加熱温度と時間を設定。設定した温度まで水が温まる間を利用して、専用シーラーを本体につなげ、食材を真空状態にする。

 

 

(左)液晶画面のデザインもスマート。直感的に操作できる。(右)専用の真空袋に食材を入れ、専用シーラーにセット、本体に接続して「V」(Vacume)ボタンを選べば脱気できる。

 

 

鍋のお湯が設定温度に達したら、真空パックした食材をイン。あとは設定時間になるまで待つだけ。ちなみにこの低温加熱の際、湯温が上部と底部で異なることなく常に一定温度が保たれるよう、1000Wのハイパワーで湯が対流する仕組みを導入するのも、このマシンのスゴいところ。これにより、鍋の中のどの位置に食材パックがあっても、均一にムラなく加熱ができるという。

 

 

(左)湯が設定温度に達したら、真空パックした食材を鍋の中へ。1000Wのハイパワーで、設定温度までの到達時間もスピーディ。(右)内蔵のヒーターで加熱、先端についたプロペラファンで水を攪拌し対流を起こすことで熱の通りを均一化する。

 

 

その後、設定時間になったらアラームが鳴り、完成。あとは袋から食材を取り出し、カットしたり、盛りつけてソースをかけるといった仕上げを施し、テーブルへ。ローストビーフなど、焼き目がほしい場合は、水気を軽く拭き取った後、軽くグリルすれば、さらに食欲をそそる一品になる。

 

そして、肝心の出来上がりはというと……、今回はローストビーフを試食したが、まず驚いたのが肉の色の美しさ。しかも均一でムラのない断面は低温調理ならではのものだ。さらに口に含むと、程よい弾力を備えた柔らかな肉の中から、旨味たっぷりの肉汁が。まさにこれはレストランの味わいだ!

 

 

うっとりするような肉の断面!

 

 

機械にほぼおまかせで、この出来上がり、しかも誰でも失敗なくこのおいしさを実現できるというのはなんともうれしい限り。これさえあれば、奮発して買った高級のお肉を、調理の腕で台なしにすることもないし、パーティなどでは、あらかじめ低温調理だけ済ませて準備をしておけば、ゲストが到着したタイミングで仕上げをして、できたてを提供することもできる。また、ほったらかしでOKだから、低温調理器で料理を一品作る間に、他の料理や家事をすることだってでき、忙しい主婦や何品も料理を用意しなければならないシーンにもぴったりだ。

 

気になる低温調理の得意メニューはというと、ローストビーフのほか、アクアパッツア、煮魚に油淋鶏、フルーツのコンポートなど、和・洋・中からスイーツまでもりだくさん。さらに購入者には、日本料理「分とく山」総料理長・野崎洋光氏、イタリア料理「ACQUA PAZZA」のオーナーシェフ・日高良実氏を始めとする12名の人気シェフ&料理家によるオリジナルレシピが専用サイトから閲覧できるため、ふだんごはんから、おもてなしまでメニュー選びに頭を悩ませる必要もない。

 

 

「骨付き仔羊背肉のロースト」(左)や「フルーツのコンポート」(右)など、レストランの味を手軽に家庭で楽しめる。

 

 

「煮魚」(左)のような和食や、人気の「鶏胸肉のスライスサラダ」(右)などもお手のもの。

 

 

ちなみに、コンビニで大ヒットの「サラダチキン」もその多くがこうした低温調理器で調理されたものだとか。あの独特のしっとり感は、まさにおいしさをしっかり閉じこめて調理するこの調理法あってこそ。そんな日々の健康生活を意識するヘルシー派から、おもてなし料理の達人まで、料理の幅を広げてくれる魔法の調理器。その人気はますますこれからますます加速するに違いない。

 

 

KaiHouse  aio The Sousvide Machine 低温調理器
低温調理器本体に、専用シーラー、専用袋(M・L各10枚)、収納スタンド付き(写真は収納した状態)。収納袋の内側には特殊なエンボス加工が施され、袋の端までまんべんなく脱気できる。本体サイズはW190×H310×D77㎜。重さ2kg。5万円(税抜)。

 

 

 

 

問い合わせ

貝印 お客様相談室TEL.0120-016-410

http://www.kai-group.com/store/special/teionchoriki/

 

 

(取材・文/原口りう子)