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2017.12.20

職人の高度な研磨技術が
ワインの味と香りを即座に引き出した

年末年始は友人や仕事仲間、日頃お世話になっている人、あまり会えない人たちと、とびきりのワインを楽しむのにぴったりの機会。そこでぜひ用意したいのが、日本のモノ作りの技を活用し、驚異的な短時間でデキャンタージュができる画期的なデキャンタ。ワインに秘められた味と香りを簡単に、そして存分に楽しもう。

 

ワインの奥深い味と香りを楽しむには

デキャンタージュが大切だが…

 

ワイン好きの方には改めて申し上げるまでもないが、デキャンタージュとは、ボトルの底にある澱(おり)を取り除き、ボトルの中のワインを空気と触れさせて(酸化させて)、ワインに秘められた深い味と香りを引き出すこと。このひと手間をかけることで、タンニンや酸味などがバランス良く調和し、ワインに秘められた実力、本来の味わいや香りが楽しめる。特に上質な赤ワインを楽しむには絶対に欠かせないプロセスである。

 

ワイングラスを何度か回し内側の壁を這わせる(スワリングする)と、ワインの香りや味がグラスの中から立ち登り、より薫り高く美味しく感じられる。これも一種の簡易的なデキャンタージュ。ワインボトルの栓を開けたときと、開けてしばらく経ったときでは、ワインの味や香りはかなり違う。農作物であるワインは「生き物」であり、その味と香りは刻一刻と変化するものなのだ。

 

そして、このデキャンタージュに用いるのがデキャンタで、デキャンタといえばクリスタルガラス製が昔からの常識。手吹きでひとつひとつ作られる、白鳥のような優雅なシルエットを持つ透明のガラス器が一般的で、ソムリエたちはワインのコルクを開けると、鮮やかな手つきでうやうやしくこの容器の中にワインを注ぐ。そしてしばらく置いてからサービスしてくれる。

 

最近では空気穴を設けた簡易デキャンタ機能付きの注ぎ口も普及しているが、注ぎ口を通過する時間はごく一瞬なのでその効果はいまひとつ。とはいえ、一般家庭でこの種のデキャンタを使うのは難しい。場所を取るし、取り扱いも管理も大変だ。

 

また、デキャンタージュは意外に時間がかかる。また、ワインの種類でも大きく異なるもの。開栓してすぐ飲むのが最適なものもあるが、エイジングが進んだ年代物なら30分から1時間程度。逆にエイジングが10年未満のワインなら、2時間から3時間もデキャンタージュした方が良いものもある。またデキャンタージュして美味しくなるのは、赤ワインに限った話ではない。

 

日本の職人技から生まれた

革命的なデキャンタ

 

デキャンタは扱いにくいし、時間もかかる。本当は使いたいけれど、この2つの問題があるので、ワイン好きながら自宅ではデキャンタージュをあきらめている人も少なくないはず。

 

ところが、この2つの問題を見事に解決した、常識を破る革命的なデキャンタが登場した。日本のクルマ作りの中心地、愛知県豊田市にあるクルマ部品メーカー、横山興業が作った「BIRDY. デキャンタ DC 700」だ。

 

素材はステンレスで、仰々しいガラス製のデキャンタとは違い、美しい曲線を持つ、片手で持てるコンパクトサイズ。1〜2杯分のワインを、ボトルから注いで気軽にデキャンタージュできる。同社は実はカクテルシェーカーなどカクテル用品でも知る人ぞ知る存在。同社の製品は「カクテルの聖地」と呼ばれるロンドン・サボイホテルのバーでも使われている。

 

何よりも革命的なのは、素材やカタチやサイズではない。デキャンタとしての性能だ。ワインが注がれるコップの内側は、研磨職人の手作業でひとつひとつ磨き上げることで生まれた0.1ミクロン(0.0001mm=1万分の1ミリ)単位の凹凸があり、この凹凸がワインと空気の触れ合いを助ける。そのおかげで、ワインを注いでわずか数回スワリング(中のワインを回転させる)しただけで、デキャンタージュが一気に進む。

 

デキャンタの内側をひとつひとつ手作業で、宝石を磨くようにていねいに磨き上げる。内面には凹凸を残す部分とそうでない部分がある。そして外側はミラーフィニッシュ。研磨にはダイヤモンドペーストを使用する。これはステンレス製品では異例のこと。

 

このデキャンタージュの速さは、体験してみると信じられないほど。同じボトルから注いだ同じワインでも、わずか数回、スワリングの回数を増やすだけで、その味と香りが大きく変わる。その効果は劇的で本当に驚かされる。まさか、デキャンタージュがこんなに簡単に、こんなに速く手軽にできるとは! 日本の職人の技が、ワインに秘められたさまざまな味を引き出したのだ。

 

この驚きと感動を体験したあなたは、きっと親しい友人たちにもこの味と香り、感動を体験してほしいと思うはず。年末年始のパーティにこのデキャンタとお気に入りのワインを用意し、このデキャンタージュの「魔法」を披露すれば、間違いなくその場は盛り上がり、皆が喜ぶはず。ワインに限らず、シャンパンや日本酒やシェリー酒、紹興酒などをデキャンタージュするのもオススメ。新しい香りや味わいに出会うことができる。いつもの飲み慣れたワインも、このデキャンタを使えば、その中に秘められていた、これまでにない味と香りを見せてくれるはずだ。

 

 

 

Birdy デキャンタDC 700

美しさ、容易な取り扱い、そしてスピーディーなデキャンタージュ。日本のモノ作りの技でこの3つを実現した画期的なステンレス製ワインデキャンタ。

サイズ:約φ93 × 145mm/容量:約700ml/重量:約260g/18-8 ステンレス鋼

価格:1万8,114円(税込み)

 

問い合わせ

横山興業株式会社 TEL.0565-58-5558

http://birdy-j.com(公式ブランドサイト)

http://birdy.shop(オンラインショップ)

 

 

(取材・文/渋谷ヤスヒト)

 

 

PROFILE 渋谷ヤスヒト

ジャーナリスト、エディター、メディアプロデューサー。モノ情報誌編集部員時代の1995年から現在まで、スイス2大時計フェアや国内外のあらゆる時計ブランドの取材を一貫して続ける腕時計のエキスパート。他にもクルマ、カメラ、家電、IT機器、ファッション、トラベル、食まで、国内外のあらゆるモノとコト作りの現場取材を続けている。