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2017.08.23

自転車王国・オランダ発
“盗難”の不安を払拭する電動サイクル

日本の中でも特に坂の多い街として知られる首都・東京。そんな東京生活で心強い味方となってくれるのが、電動自転車だ。しかも都会暮らしなら断然スマートな電チャリがイイ! そんな向きにおすすめしたい自転車がオランダより初上陸を果たした。

 

主要機能をフレームにイン

スタイリッシュな都会派電チャリ

 

坂の多い東京とは逆に、国土の大半が平地であることから、自転車が早くから普及したオランダ。国中に自転車専用道路が整備され、駐輪場も完備。首都アムステルダムでは、なんと人口より、自転車の数のほうが多いという。

 

そんな自転車先進国・オランダのアムステルダムに本社を置く「VanMoof(バンムーフ)が、日本向け限定モデルとしてリリースした電動サイクルが、今回紹介する「Electrified・X」(エレクトリファイド・エックス)。日本発売のきっかけについて、同社創始者のひとりでもあるTies Carlier(ティーズ・カーリエ)さんは次のように話す。

 

「なぜ日本か、というと、日本が好きだからです。ホテルの部屋も食べ物も、乗り物もすべて繊細で素晴らしい。ただ、これだけデザイン感度もクオリティも高い国になのに、なぜかママたちの乗る電動自転車は画一的で触手が動かない。そこで私の血が騒いだんです。チャレンジしたくなったんです。日本で新しい自転車を作ろう、と。そう決意して8年前から毎年東京にきて調査を始めました」

 

こうして出来上がったモデルは、欧米で既に展開済みの「Electrified・S」をベースに、東京の街や日本人の体型を意識して小型化。直線的なデザインとブラック×イエローのツートンカラーも(色バリは他にもあるが…)印象的だ。

 

一見すると、スポーツタイプのシティサイクルといった趣き。ただ、電動自転車の象徴とも言うべきあのバッテリーはいずこに? と探していたところ「バッテリーはフレームに内蔵されて、ここから直接充電する仕組みです」とスタッフが教えてくれた。他にもスマホアプリとの連携によるキーレス解錠、盗難防止機能に加え、前後ライトもフレームに内蔵。だからこそ、電チャリらしからぬスマートなスタイルが実現できたというわけだ。

 

 

ライトはフレームの前後に埋め込まれているので見た目もスッキリ。

 

そして今回は、実際に試乗を体験。まず驚いたのは、操作のシンプルさだった。スマホアプリと連携により、フレーム状のダッシュボードに手をかざすだけで、自動解錠。出力最大250Wの高性能モーターで、4段階、最大時速24kmまで、アシスト走行ができるほか、左ハンドルにあるブーストボタンを押し続けると、さらに加速ができる。

 

(左)乗車前にアシストレベルを設定。(右)左ハンドルにあるブースターボタンが加速を補助、ハンドルを握って親指位置にあるので、ボタンが押しやすい。

 

つまり最初にアシストレベルを設定、坂道にさしかかってペダルが重いな、と感じたら、パワーブーストボタンを押すだけで、ぐんっと加速するのだ。だが、だからといって電チャリにありがちなふわふわ感はなく、道路を踏みしめて走る感覚がありつつ、軽快な走りが楽しめる。

 

タイヤサイズは24インチで、女性でも無理なく乗れるし、この大きさ、機動力なら、都内の狭い道路や人が多い街中でも、この上なくスムーズ。さらに重い、でかい、カッコ悪い…という電チャリのマイナスイメージをくつがえすヨーロピアーン! なスタイリッシュさで、周りの人からの「あの自転車何? カッコいい〜?」的な視線を感じるような気持ち良さなのである。

 

見た目はシティバイクのようだが、ロードバイクに乗車するような前かがみではなく、身体を起こしたまま乗車できるのもラク。

 

東京の街で走るモビリティはコンパクトが最低条件。Electrified・Xは重さ18.4kg、他の電動自転車と比較しても軽く、階段移動の場合でもさほど苦にならない。

 

まさにお値段以上の価値あり

太っ腹の盗難保証

 

実際に東京の街中を走ってみると、ホントに坂の多さや道の狭さがよく分かる。買い物、お迎え、通勤・通学……、電動自転車があれば、どれだけ都市生活がラクになるだろう。それもこんな見せたくなる、走りたくなる自転車だったら、なおさらだ。

 

試乗して大いに「買っちゃう?」気分が盛り上がったところで、気になる金額は、というと……37万円! なるほど、電動とはいえ、やはりそのクラスのお値段か…と若干、気持ちが萎えたあなた、ちょっと待って。実はこの価格にはちゃんと理由があるのデス。

 

それが、「ピース・オブ・マインド保証」。これはいわゆる盗難保険のようなもの。万が一、盗難にあった場合、ユーザーがスマホからバンムーフに連絡すると、同社直属のバイクハンターが出動。バイクに内蔵されたGSM通信システムで位置を検出し、回収してくれるというシステムなのだそう。しかも2週間経っても見つからなかった場合、盗難にあった自転車のかわりに、同等車が提供されるというのだ!

 

残念ながら、ここ東京でも自転車の盗難は少なくない。けれどこの制度があることで、「盗まれるからいい自転車を購入できない」というジレンマからは、少なくとも解放されるはず。実はこの制度、既に海外でも導入済みで、過去にはパリで盗難にあった自転車がアフリカのモロッコで見つかった例もあるそう。

 

さらに故障発生時に備え、2年間はパーツ保証付き(そもそも主要パーツは頑丈な盗難防止用ネジで止められているというが…)。こうした保証の手厚さは、性能だけに止まらない、大きな魅力となって購入を後押ししてくれるに違いない。

 

都会の景色になじむスマートさ!

 

ちなみに、5月の発売当初はプレオーダー特典として、定価37万円のところ、25万円の特別プライスで提供されていたが現在は終了。ただし、その後もあらたなディスカウント価格を検討中とのことなので、購入を検討している方はぜひオフィシャルウェブサイト(VanMoof.jp)にてチェックをおすすめする。

 

もちろん試乗も大歓迎。現在、ブランドストアがオープン準備中だが、それまでの期間は、原宿「DANCERS COLLECTION」で絶賛試乗受け付け中(https://www.vanmoof.com/jp_jp/try-it-out)。都会のど真ん中、原宿で、その軽快な走りをぜひ体験してほしい。

 

VanMoof「Electrified・X」

スマホアプリと連携、手をかざすだけで解錠できるキーレス方式を採用するほか、本体に搭載された盗難防止用トラッキング機能により、アプリ上の地図での位置情報も取得可能で、さらにその機能はブラッシュアップ予定とか。6時間のフル充電で、最大120kmの走行ができる。カラーは、右からイエロー、ブラック、グレー、ブルーの4色。サイズ/全長167×全幅60×サドル高78〜98㎝。18.4kg。年内には各種アクセサリーも登場予定。価格は37万円(税込み)。

VanMoof.jp

 

問い合わせ

バンムーフ・サポートセンター support@vanmoof.jp

 

試乗予約

https://www.vanmoof.com/jp_jp/try-it-out

DANCERS COLLECTION/ダンサーズコレクション

東京都渋谷区神宮前4-28-18 ピノ原宿B1

営業時間:11:30〜20:00(最終試乗:19:30)

年中無休

(取材&文・原口りう子)