至高の楽園 バンヤンツリー
[第2回]バンヤンツリー・ビンタン
「静寂の楽園」で過ごす至福のひととき

宝石のように輝く南シナ海に浮かぶインドネシア領ビンタン島。静かな趣と豊かな自然の中で育まれたバンヤンツリー・ビンタンは、野生の静けさの中に快適性を備えたリゾートだ。数々の受賞歴を誇り、アジアン・リゾートの歴史を換えたといわれるバンヤンツリーの美学に彩られた伝説が、このリゾートから始まる。「美しい自然と静寂」。ゴージャスに孤島を満喫し、心身を解き放ち、日常から遠く離れた至福のひとときが待ち受ける。

南シナ海の絵のような美しい景観に囲まれて、静けさの中に佇むバンヤンツリー・ビンタン(写真はメインプール)。
大自然と静けさ、のどかな風景と
伝統文化に触れる貴重な滞在
インドネシア領ビンタン島は、シンガポールからフェリーに乗って50分~1時間の距離にある。
シンガポールの南東45km沖に浮かぶビンタン島は、大小3000もの島が点在するリアウ諸島の中の最大級の島だ。シンガポールの約2倍、ちょうど日本の淡路島ほどの大きさだという。
高層ビルが乱立する大都会シンガポールの街からわずかな距離を航行するだけで世界は一変し、国も違い、インドネシアらしい熱帯のアイランド・リゾート、バンヤンツリー・ビンタンに到達できる。
ビンタン島の観光開発は1990年頃から顕著に始まり、その流れで世界的なリゾートが次々と島のビーチ沿いに建てられた。

ヴィラ内はインドネシアの伝統的なバティック染めとバリ風の家具が並べられ、アース系の色調で統一されたエレガントなインテリアが魅力。

(左)空と海の蒼さに溶け込むように、絶景の丘に建てられたバンヤンツリー・ビンタン。
(右)夕闇に染まっていくタンジョン・サエ湾の美しさに心を奪われる。
バンヤンツリー・ビンタンは200haもの広大なリゾート・コンプレックス「ラグーナ・ビンタン」の一部にあり、敷地内には他にアンサナ・ビンタンや、ラグーナ・ビンタン・ゴルフクラブまで含まれている。
今後は、新ブランドのリゾート、カッシーア・ビンタンも開業予定というから、ビンタン島はますます華やいだ一大リゾート地となりそうだ。
バンヤンツリー・ビンタンが建つのは、タンジョン・サエ湾に面した丘の斜面を利用した広大な土地で、麓に広がる美しいプライベートビーチまで広がりがある。
近年、リゾート全体の全面改修工事を終え、全64室のヴィラには平均3×4mのプライベートプールを備え、一段とラグジュアリーさの増した施設となった。
リゾートの周囲には緑濃い熱帯雨林が広がり、近くには海水と淡水が入り混じるマングローブの森林地帯も残されている。
自身の滞在中、早朝に起きて散策をしていたら猿の大きな叫び声に驚かされ、大トカゲにも出会った。ビンタン島は自然が残された野生の島。マングローブ林のみならず、ヘビやリス、カワウソなど野生動物にも出会えるサンクチュアリでもある。

全64室にラグジュアリーなプライベートプールを備えたヴィラ。ライトアップされたプールが神秘的に浮かび上がる。ロマンティックな月夜には月光浴を楽しみたい。お薦めはこの「オーシャンビュー・インフィニティ・プール・ヴィラ」だ。

天蓋付きのベッドから蒼い海を眺める優雅なリゾートライフ。

アクティビティが充実しているのも魅力。グレッグ・ノーマン氏設計のチャンピオンシップ・ゴルフコースでのプレイ(左)や、南シナ海での豪快なジェットスキーがお薦め。
暑い午後にはスパで癒されるのが最高!
ビンタン島の伝統文化に触れるのも新鮮
滞在中は、リゾートが独自に提供するアクティビティも大いに参加してみると面白い。オーシャンスポーツはもちろん、グレッグ・ノーマン氏設計のチャンピオンシップ・ゴルフコースでのプレイも可能だ。
このゴルフ場には湿地帯やかつての石切場などが残され、ビンタン島ならではの情緒的な風景や、南シナ海を遠望しながらゴルフが楽しめる。圧巻のマングローブ林を見るなら、マングローブ・ツアーに参加するのが最良の方法だ。
また暑い午後のお薦めは、海風を受けながら、快適なマッサージやトリートメントを提供する極上スパ「バンヤンツリー・スパ・ビンタン」でまったりするのがベストだ。
ウトウトと夢の世界を行ったり来たり…。伝統的なトリートメントであるバリニーズから、人気のシグネチャーマッサージまで、メニューの豊富なトリートメントが慣れない暑さ疲れや遊び疲れた身体を癒してくれる。
マッサージ用のベッドに裸で寝ていると、南シナ海から吹く柔らかい風に包まれ日常のすべてから解放されるのを感じ、深い溜息ひとつで心地良い眠りの世界へと誘われていく。

ヴィラのベッドルームからのシービューは格別。珠玉のリゾートは、訪れる者を優美な世界へ誘い込む。

南シナ海の柔らかい風に包まれながら、メニュー豊富なトリートメントが身体を癒してくれる。日常のすべてから解放される至福のリラクゼーション。
一方、ビンタン島の南部には、漁業や農業を営むマレーシアやインドネシア系住民、華僑が多く住む地域がある。
反対に東海岸を訪れると様子はガラッと変わり、手付かずの美しいビーチや、観光開発の及ばないのどかな情景も残っている。
この辺りには昔ながらの高床式住居や素朴な漁村が点在し、古くから住むビンタン島の住人達の日常生活が繰り広げられている。旅先では、時にはこうしてリゾートを離れた探索がとても興味深い。
リゾートを出たら、地元レストランで郷土料理でも試してみるといい。その土地の日常が見え、ひと味違う旅の歓びや興奮が地元レベルで味わえる。きっと、リゾート滞在に深みが増し忘れ難い休暇の思い出となるだろう。
(文・せきねきょうこ)

美しく開放感あふれる自然の中でのウェディング。永遠に続く水平線と、青く澄み渡る空が二人の新しい旅立ちを祝福する。

(左)豊かな自然を舞台にした、多岐にわたるデスティネーション・ダイニングで美食を堪能。
(右)ディナー・オン・ザ・ロックは、岩場にセッティングされた二人だけのテーブルで、専属のシェフとウェイターが演出するロマンティックなディナータイム。

食欲を刺激するタイ料理、地中海料理、本場インドネシアの味など、グルメをうならせる国際色豊かなメニューが揃う。
せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト
仏アンジェ西カトリック大学留学後、スイスの山岳リゾート地で観光案内所に勤務中、ホテル住まいを経験。仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープ多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも兼任。著書多数。
Banyan Tree Bintan(バンヤンツリー・ビンタン)
住所:Jalan Teluk Berembang Laguna Bintan Resort, Lagoi 29155,
Bintan Resort, Indonesia
電話: +(62) 770 693 100
www.banyantree.comhttp://www.banyantree.com/ja/ap-indonesia-bintan
部屋数:64室(ヴィラ)
室料:USD385~ (税金・サービス料別途)
アクセス:シンガポールからフェリーで約50分~1時間。フェリーターミナルから車で20分。
日本での問合せ先/バンヤンツリージャパン03-5542-3511
予約フリーダイアル:0120-778-187