おもてなし料理

2019.06.03

夏にうれしい、火を使わない
スペイン発祥の冷製トマトスープ
「ガスパチョ」

湿度が上がり随分と蒸し暑くなってきましたね。夏バテにならないためにもご飯をしっかり食べることは大切ですが、どうしても食欲が減退する時期。無理なく食べられることも、料理を選ぶときの重要なポイントとなります。

 

スペイン発祥のトマトスープ『ガスパチョ』なら、食欲がなくてもさらりと食べることができますし、何よりさっぱりしているのでこれから暑くなる夏にオススメです。調理に火を使わないというのもいいですよね。

 

メインに使うトマトは、医師が健康のために食べる物のトップになったことも。トマトの成分の代名詞にもなりつつあるリコピンは、ビタミンEの約100倍の抗酸化作用を持ち、美肌作りにも役立ちます。洗ってそのまま食べることができる簡便性も魅力の1つ。今回は、知っておいて損はない簡単トマトレシピと、身近な食材と組み合わせることで吸収率を高めることができる方法を合わせてご紹介していきます。

 

 

夏の前菜にオススメ!

火を使わないで5分でできる!

トマトとヨーグルトの簡単ガスパチョ

 

 

いくら部屋に冷房がきいていても火を使う料理はやっぱり暑くていやになってしまうという人も多いですよね。火を使わない料理なら汗だくになることもなく、レパートリーに加えておくと夏のおもてなしとしても活躍してくれます。トマトを使ったガスパチョは食欲が減退しているときでも無理なくいただけるのも嬉しいですね。

 

 

・トマトとヨーグルトの簡単ガスパチョ

 

 

材料(2人分)

トマト 200g(約中2個分)
ヨーグルト 200ml

キュウリ 2分の1本
パプリカ・タマネギ 各20g(パプリカは約8分の1個程度)
ライ麦パン 10-20g※普通のパン、もしくはバケットでもOK
白ワインビネガー(お酢でもOK)・オリーブオイル 各大さじ1

すりおろしニンニク 小さじ2分の1
塩 適宜

ピーマン・オリーブオイル(盛りつけ用) 適宜

 

作り方

1. 盛りつけ用のピーマンは5㎜の角切りに。ほかの野菜は全てざく切りにする。

 

 

2.材料を全てミキサーに入れ滑らかになるまで撹拌。

 

 

 

3.ピーマンをのせ、オリーブオイルをかけてできあがり。

 

 

 

日焼け対策にも◎な

リコピンの知られざる働き

 

 

トマトに多く含まれるリコピンには、様々な働きがあることがわかっています。
・メラニン色素の生成を抑制することからシミ、そばかすを予防し美白に導くこと

・紫外線によるコラーゲン減少を抑え、コラーゲンの産生を増やす働き
・紫外線による肌の赤みや皮膚の肥厚を抑制に関与

・角質層の改善・眼下のしわ改善

・紫外線による肌の色調回復

・善玉コレステロールを増やす

 

紫外線によっておこる肌の劣化やトラブルを改善する働きに長けているリコピンは女性の味方ともいえる成分ですね。それと同時にリコピンにはビタミンEの100倍もの抗酸化作用があることが明らかになっています。紫外線をはじめ、現代の生活で避けることのできない精神的なストレス、排気ガスや、電磁波などが要因となって起こる活性酸素は老化や病気の一因といわれています。リコピンはこの活性酸素を消去する能力が高いのだそう。余談ですが、トマトはリコピンを生成することで自らの身体を活性酸素から守っているといわれています。ヨーロッパには【トマトが赤くなると医者が青くなる】なんてことわざがあるようですが、トマトは昔も今も人間にとって身近なパワーフードなのかもしれませんね。

 

 

オリーブオイルで吸収率UP!?

リコピンの効果的なとり方

 

八面六臂の活躍をみせるリコピン。せっかく食べるなら体内での吸収率を上げたいですよね。簡単な方法は油と一緒にとること。リコピンは脂溶性で油に溶ける性質を持つからです。カゴメによると、オリーブオイル、サラダオイル、シソオイル、サフラワーオイルの中で最もリコピンの吸収率を高めるのはオリーブオイルだと実験で明らかにしています。トマトとオリーブオイルは相性がよい組み合わせでもあるのでサラダやスープに加えるといいですね。

栄養の吸収を阻害する要因に、野菜や果物にある細胞壁があります。栄養の吸収を高めるためには、この細胞壁を壊すことが大きなポイントです。細胞壁を壊し吸収率を高める方法は、調理過程での【粉砕】と【加熱】が考えられます。粉砕は、ミキサーにかけたりすりつぶしたりすることで物理的に細胞壁を壊し、吸収率を高めます。加熱は、細胞壁を柔らかくすることで壊れやすくし、栄養の吸収を高めます。今回ご紹介しているトマトのガスパチョは、ミキサーで粉砕しオリーブオイルを加えているので、高いリコピンの吸収が期待できるのです。

 

 

今回使用したオリーブオイルは、FRESCOBALDI LAUDEMIO(フレスコバルディ・ラウデミオ)。さっぱりとしたオイルとオリーブのピリリとした辛味が特徴のオリーブオイルです。味と香りの異なる3種のオリーブを収穫し採油しているので、オリーブそれぞれの旨味と風味が絶妙のバランスで配合されています。コクはありますが、さっぱりとした食感のため和食にも洋食にもよくあいます。料理をワンランクアップさせる魔法のオイルといってもいいでしょう。酸化してしまうので箱にいれて保存がオススメです。

 

 

キレイの偏差値を底上げする!

朝トマトのススメ

 

トマトに含まれるリコピンは朝とることが、もっとも吸収が高いことがわかっています。朝ご飯を食べる時間がない人はトマトジュースを飲むのもいいですね。リコピンは、生のまま食べるより、ジュースなどの加工品にした方が、吸収率が高いのだそう。数字にすると生のままよりおよそ3.8倍も高いという結果もでています。加工品だからと嫌厭しないで、賢く使い分けてみてはいかがでしょうか。

 

リコピン以外にも

注目の成分がいっぱい
リコピンばかりに注目が集まっていますが、トマトには肌にハリや弾力をもたらすコラーゲンの生成を助けるビタミンCや、腸内環境を整える働きのある食物繊維、むくみ防止作用カリウムなども含みます。さらに、トマトに含まれる注目の成分13-oxo-ODAは、血中のコレステロールや脂質の異常を抑制する他、エネルギー代謝の亢進や、脂肪燃焼の促進なども期待されています。様々な栄養があるので、この夏は家に常備してみては?

今回は、洗ってすぐに食べやすい簡便性と栄養価の高さが魅力のトマトを使ったガスパチョをご紹介しました。火を使わず5分でできる簡単レシピなので、ぜひ活用してみてください。

 

 

(参考)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000010134.html

http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/lycopene/

https://www.kagome.co.jp/statement/health/tomato-univ/medical/whiteskin.html

http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/tomato/

https://www.kagome.co.jp/statement/health/tomato-univ/medical/

https://www.kagome.co.jp/company/news/2006/000608.html

https://www.kagome.co.jp/company/news/2001/010518_01.html

https://www.kagome.co.jp/vegeday/nutrition/201704/6751/

 

 

生井理恵 (なまいりえ)

千葉県出身 8月30日生まれ O型 ベジ活アドバイザー・一般社団法人「食べてキレイになる協会」理事 保有資格/野菜ソムリエ・食育マイスター・ベジフルビューティーアドバイザー 父の糖尿病をきっかけに食習慣の大切さと野菜と果物の素晴らしさに目覚める。野菜と果物がカラダに果たす役割の大きさと、食べることを楽しむココロの大切さを様々な世代へ伝えることを目的に講演、セミナー講師、コラム執筆、料理教室、教育機関での食育講師などなど多岐に渡り活動中。書籍に「ママとキッズの楽しい“ベジ活”」(ワニブックス)、「ライスミルクダイエット」(主婦と友社)などがある。