おもてなし料理

2019.02.20

ストレスフリーに春を迎えるために
ワンランク上に見える春キャベツのサラダ

三寒四温という言葉通り、2月下旬から3月にかけては寒い日と温かい日が繰り返しやってきます。枯れ木に蕾がつきはじめ、百貨店やスーパーでは菜の花や山菜などの春を象徴する食べ物が出回りはじめる…この時期はまさに変化の時期でもありますよね。一般的に季節の変わり目は体調を崩しやすいといいますが、年度が変わる春は体調不良だけではなくストレスもたまりがちです。

 

こんな面白いデータがあるのをご存知でしょうか。野菜を毎日推奨量食べている人は、ほとんど食べない人と比較するとストレスのリスクが低いのだそうです。特に女性はその傾向が強いといわれています。オーストラリアでおこなわれた研究ですが興味深いですよね。ストレスの多い時期は旬の野菜をもりもり食べてストレスを減らしましょう。今回はストレスフリーな春のおもてなしメニューをご紹介します。

 

簡単だけど豪華!

10分で完成の春キャベツのオシャレサラダ

 

 

春に出回る春キャベツは葉が柔らかく瑞々しく、サラダなどの生食に向きます。抗酸化作用が高く美容と健康に欠かすことのできないビタミンCの他、造血のビタミンとも呼ばれる葉酸、むくみ改善に働くカリウム、腸内環境を整える食物繊維などの栄養素を含みます。ビタミンCやカルシウムは、外側の葉と芯の近くの葉に多いので、できればその部分も活用するようなレシピにすると栄養を余すところなくいただけていいですね。

 

よく噛まないと飲み込むことができないキャベツの芯は、ダイエットにも◎! よく噛むことで満腹中枢を刺激する他、早食いの抑止にもなります。早食いはそうでない人と比べて肥満のリスクが4.4倍も高いという研究もあるので、気をつけたいですね。

 

材料(2 人分)

 

 

キャベツ 4 分の1個
A(つくりやすい分量)

アンチョビ(フィレ) 10g
黒オリーブ・緑オリーブ 各 30g
ケイパー 大さじ 1
すりおろしニンニク 小さじ 2 分の1
オリーブオイル 50ml

 

作り方


 1.キャベツは芯がくっついた状態で4-6等分にし、1つずつ洗う。

 

 

2.水気がついたままフライパンに入れ2分蓋をして加熱していく。

 

 

3.Aを全てハンドプロセッサーで攪拌したら、1のキャベツにかけていただく。

 

 

 

食べてストレス軽減も!?

女性の味方はやっぱり野菜

 

 

低カロリーでありながら、ビタミン、ミネラルをはじめ色や香りに含まれるフィトケミカル(植物化学性物質)など様々な栄養が含まれる野菜の有用性は、日本のみならず世界中で認知されていますよね。ヘルシーさが際立つ野菜ですが、ストレスを軽減するのにも効果が期待されています。

 

オーストラリアなどで25万以上の中高年を対象に、加齢と健康の関連について調べているコホート研究「45 アンド アップ」研究の一環として、対象者の毎日の野菜や果物の摂取量と、ストレスの度合いとの関連を調べたものがあります。野菜を毎日推奨量食べている人は、ほとんど食べない人と比較すると、ストレスのリスクが12%低かったのだそうです。

 

特に女性はその傾向が強いというデータもあります。他の研究でも、男女両方に、野菜や果物、いも類、大豆製品、キノコ類、海藻類、魚、緑茶などをよく食べていると、精神的ストレスが低い傾向があることが示唆されているようです。こういった食事パターンの人は抗酸化作用のあるカロテンやビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、葉酸などの摂取量が多いことが理由の1つとして考えられています。ストレスも軽減の効果も期待されているなんて、やっぱり野菜は女性の味方ですね。

 

 

摂取量は女性よりも男性の方が多い!?

野菜摂取の理想と現実

 

女性で美容や健康のために野菜をとるようにしているという人は多いですよね。とはいえ意識していてもなかなかとることができないのが野菜。厚生労働省の国民健康栄養調査によると野菜摂取量は平均すると女性で約270g程度。目標量の350gには足りていないのが現状です。実は男性は平均すると約290gで女性よりもとっている量が多いことがわかります。

 

食べる量などもあると思いますが、女性の方がとっているようなイメージがあっただけにちょっとびっくりですよね。野菜を売りにしたカフェやレストランも多くなってきたとはいえ、外食だけでは目標量には足りないし、やっぱり家でもしっかり野菜をとるのが必要となります。

 

 

野菜をとるコツは、ゆるく長く!

簡単で美味しい野菜レシピは一生の財産

野菜は買ってから食べるまでに、洗って切って調理してという下処理が必要です。そう考えると時間や心に余裕があるときじゃないとなかなか難しいですよね。からだによくても作ること自体がストレスになってしまっては本末転倒です。

 

ストレスなく野菜をとるコツは2つあります。

 

1つめは、無理はしないということ。ストイックに短くとるよりも、ゆるく長くとるようにするのがオススメです。例えば、平日は忙しくて外食やお弁当が多くなったけど、土日は野菜を多めにした料理をつくるとか、今月はゆとりがなくて家で料理をほとんどつくれないけど、外食は野菜多めのものをチョイスするなど、生活の中で無理なく続けられる野菜との関わり合い方を見つけるようにするといいですね。

 

2つめは、料理するのが苦にならない簡単なレシピをたくさん知っておくということ。野菜がもりもり食べられる簡単レシピは一生の財産です。皆様のお役にたちますように。

おもてなし料理というと敷居が高くなってしまいがちですが、ご紹介したキャベツのサラダなら見映えが良いのに簡単。オリーブでつくるタプナードソースは野菜だけではなくパンや白身魚、ワインとの相性も抜群です。材料を変えて使っても美味しいですよ。ぜひお試しくださいね。

 

(参考サイト)

http://www.dm-net.co.jp/calendar/2017/026724.php
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-015.html

http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/cabbage/

https://www.kewpie.co.jp/yasai/cabbage/index.html

http://mhlab.jp/calendar/kenkou-seikatsu/2014/11/011848.php

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/oby.20842

 

 

生井理恵 (なまいりえ)

千葉県出身 8月30日生まれ O型

ベジ活アドバイザー・一般社団法人「食べてキレイになる協会」理事

保有資格/野菜ソムリエ・食育マイスター・ベジフルビューティーアドバイザー

父の糖尿病をきっかけに食習慣の大切さと野菜と果物の素晴らしさに目覚める。野菜と果物がカラダに果たす役割の大きさと、食べることを楽しむココロの大切さを様々な世代へ伝えることを目的に講演、セミナー講師、コラム執筆、料理教室、教育機関での食育講師などなど多岐に渡り活動中。書籍に「ママとキッズの楽しい“ベジ活”」(ワニブックス)、「ライスミルクダイエット」(主婦と友社)などがある。