WHISKY CHASER
カクテルで楽しむ
夏のウイスキー
夏に飲むウイスキーといえば、シュワっと軽やかなハイボールを思い浮かべる人は多いはず。もちろんそれもおすすめだが、もっと違う楽しみ方があってもいい。そこで今回は暑い夏にこそおすすめのウイスキーカクテルを紹介。
今夜ウイスキーがあったらなら◇第11夜
夏のウイスキーカクテルは
パンチをきかせてクールに飲みたい
夏のカクテルには、こっくりと深い味のシングルモルトより、スパイシーさや甘い香りが広がるバーボン、バランスのいいスコッチのブレンデッドなどを使うのがおすすめ。ル・シックのバーテンダー高谷充さんが考えてくれたのは、南国フルーツのフローズン、氷を浮かべてひんやり感をプラスしたデザートカクテル、ハーブや薬味でピリッとした個性を出したものなど、暑気を吹き飛ばすパンチのきいたカクテルだ。
夏のオススメ ウイスキーカクテル1
「ケンタッキーミュール」
ウッドフォードリザーブ ×ライムジュース×ジンジャーエール
夏のカクテルの定番「モスコミュール」をバーボンでアレンジしている。辛口のジンジャーエール、すりおろした生姜がきいたスパイシーな味わいが特徴的だ。
真夏のむあっとした日に、汗だくでバーにたどりついたら最初に頼みたい一杯。スッーと汗をひかせてくれるようなクールダウン系だ。キンキンの冷たさをキープするため、銅のマグで提供される。飾られたローズマリ―が、飲むたびに清涼感のある香りを振りまく。
ケンタッキー州最古の蒸溜所で造られるウッドフォードリザーブは、石灰岩のブロックに囲まれた貯蔵庫で、ゆっくり熟成することでなめらかなバーボン・ウイスキーとなる。
夏のオススメ ウイスキーカクテル2
「ミッドサマーナイト・カウボーイ」
イーグルレア×ニューグローブ カフェリキュール
「ミッドナイト・カウボーイというカクテルがありますが、
そこからイメージを膨らませて、
デザートのようなテイストを意識したオリジナルカクテルです。
生クリームだけでは重いので、
半量を牛乳にすることで軽さを出しました」。
コーンの甘さがきいたバーボン「イーグルレア」とコーヒーやチョコレートの香りが特徴の、モーリシャス産のラム「ニューグローブ」がベース。ココアパウダーとシナモンシュガーをブレンドしたものをスノースタイルにしている。飲むたびにほんのりと甘さやココアのほろ苦さ、シナモンの香る大人のコーヒー牛乳だ。
最後に氷のかけらを浮かべて温度を下げると共に、時間経過と共に氷が溶けて味わいの変化が楽しめるようになっている。
夏のオススメ ウイスキーカクテル3
「マンゴーフローズン」
ジョニーウォーカー ブラックラベル12年×サンジェルマン エルダーフラワー
夏らしいフレッシュマンゴーを使ったフローズンカクテルだ。
「主張し過ぎないスコッチのブレンデッドは、他の要素を邪魔しないので
全体をうまくまとめてくれます。
エルダーフラワーのリキュール、サンジェルマンもポイントです。
味わいがしっかりあってアルコールも感じさせるので、全体を引き締めます」
マンゴーを食べているような濃厚なフルーツ感があり、ひんやり冷たいフローズンカクテルは〆の一杯にもいい。
Le chic bar
ル シック バー
クラフトジンが揃うバーとして知られているが、実はウイスキーもマニアックな品揃え。シングルモルトのカスクストレングスが約120本、それに加えて最近はクラフトバーボンも増やしているとか。ラム150本はほぼフレンチ・クレオール・ラム、クラフトジンは150本弱。バーテンダー高谷さんが選んだ、マニアックなジン、ラム、ウイスキーが一店舗で飲めるのが魅力だ。
住所:東京都新宿区神楽坂3-2 田辺ビル 2F
電話:03-6228-1973
営業時間:19:00~翌5:00(LO翌4:30)
定休日:日曜
予算:5,000円~
※掲載価格は税別価格です(2018年5月現在)
(取材&文・岡本ジュン 写真・貝塚隆)
PROFILE 岡本ジュン
“おいしい料理とお酒には逆らわない”がモットーの食いしん坊ライター&編集者。出版社勤務を経てフリーに。「食べること」をテーマに、レストラン、レシピ、お酒、生産者、旅などのジャンルで15年以上に渡って執筆。長年の修業(?)が役に立ち、胃袋と肝臓には自信あり。http://www.7q7.jp/