私たちだって自分らしい家が欲しい!

2019.05.29

Vol.12 最後に伝えたい
家を買うということ

白澤貴子さん、大日方久美さんとともに、“女性が家を買うこと”について、1年にわたって考えてきたこの連載も、今回で最終回を迎えます。あらためてお2人に過去の記事を見返しながら連載を振り返っていただきました!

 

 

読者との出会いから

新たな発見が

 

 

連載では読者からの意見を取り入れながら、様々な企画に取り組んできたお2人。まずは、連載のなかで印象に残ったことをお聞きしました。

 

白澤「第1回から、とにかく周りからの反響が大きかったんだよね」

 

大日方「やっぱり『家賃がずっと0円だった』っていう言葉にインパクトがあったよね」

 

白澤「私のところにお金に関するいろんな質問が来たから、第3回でまた、さらに詳しい話をFPの田中さんにしてもらって」

 

大日方「結構時間をかけて、細かいところまで話したよね」

 

白澤「第2回はモデルルーム見学だったんだね」

 

大日方「そうそう、私はこの撮影まで、モデルルームに行かないようにして、初めてのモデルルームだったから、すごくテンションが上がったな」

 

白澤「でもやっぱり一番思い出深いのは第7回でレポートされているトークショーかな。読者の皆さんが家の購入に関してどんなふうに考えているのか、きちんと話してくれて、発見がいろいろとあってよかった」

 

大日方「少人数でリビングにみんなが集まっている雰囲気がよかったよね。ホームパーティみたいで」

 

 

白澤「パートナーと意見が合わなくてどうしたらいいですか、とかリアルな質問も多かったよね。あの話だけでも1時間くらい話せたと思うけど、時間が足りなくて(笑)。あの距離感だったから、お互いにリラックスできたんだよね」

 

大日方「私は、第9回の購入者インタビューに登場してくれたご夫婦にもっと早く会いたかったって思うくらい影響を受けた! ローンを組んだ方が安心できるっていう言葉にも説得力があったし、最初に中古を買って、新築に買い替えて…というのも、理想的だなって」

 

白澤「新築を買う時にも、売る前提で買ってるなんて堅実だよね」

 

大日方「この2人の話を聞いたから、最終的に買おうって決意できたんだと思う。『ローンを組んで、もし働けなくなったらどうするの』ってずっと彼から言われてたんだけど、万が一あなたに何かあっても、ローンと一緒に入れる保険で賄える可能性が高いよって話ができたんだ」

 

白澤「最初に買った中古マンションを、引っ越し当日に失敗したかもって思ったって言ってたけど、そこで後悔するんじゃなくて、じゃあ次の家を探そうかって、すぐに切り替えたところもすごいよね。こういうところがダメだったから、次はこうしようって前向きな話をして、どんどん一緒に成長していく感じが素敵だなって。夫婦としてすごく楽しいよね」

 

大日方「やっぱり、この2人がモデルケースだよね。これを読んでいる方にはぜひこのご夫婦をお手本にしてほしいな」

 

 

自分も周囲も

家の購入に前向きになった

 

 

連載前から分譲マンションに暮らす白澤さんと、購入を検討していた大日方さん。連載前とあとで、自分や周囲で感じた変化はあったのでしょうか。

 

大日方「1年かけて勉強させてもらったという気持ちがすごく強くて、家の購入についての考えが変わった。何が一番変わったかって、イベントに来てくれた子や、久しぶりに会った同僚が会社員だったら、話し始めて1時間以内に『早くローン組んだ方がいいよ』って言うようになったこと(笑)。このご夫婦もそうだったように、都心なら中古でも値段がほとんど下がらないっていうこともいろんな人に話して説得してるよ」

 

白澤「相手を説得しようとするということは、最初は疑ってたことが本当に買った方が得だって確信に変わったっていうことよね? 第1回では、私が言ったことに対して、『どういうこと?! そんなことしている人いるんだ』という反応だったものね」

 

大日方「そうそう! 白澤さんが特別なわけじゃなくて、実際に購入した家を売って住み替えている人がたくさんいるんだってわかったから。第11回の相談者のみなさんと同じで、ローン組むのが怖いと思っていたのに、今では怖さがゼロどころか、自分が組まなかったことを後悔してるくらい。ローンに入れば、働けなくなったときの保険に入れるわけでしょ。もし、賃貸だったらただ家賃を払い続けるだけ…。そんな細かいところまで、誰にでも伝えられるくらい、知識としても身についてるよ」

 

白澤「実際に自分で家を購入することに対しては、どう気持ちが変わった?」

 

大日方「最初はなんとなく『買った方がいいのかな』くらいの気持ちだったのが、今は資産になる可能性が高い家を持ちたいっていう気持ちに変わってきた。そう考えると、やっぱり麻布十番に住みたいなって。第8回に登場した女性も中古と新築で見比べて、値段が変わらないって話していたよね。街の雰囲気が好きなのはもちろんだけど、土地の価値が下がらないというのは魅力だな」

 

白澤「そういう場所って、きっとほかにもあるよね。調べればそういうことも見えてくるし、土地を見る目も変わってくるよね」

 

大日方「うん、スーパーが近いとか公園があるとかいうより、10年後も価値が変わらない街かどうか、っていう見方になってきたかな。実際に家を探すときは、土地の値段が昔から安定しているような場所かどうかをまず考えると思う」

 

白澤「私の場合は、女性はもちろん、独身の男性の友達にも、買うことを身近に考えてもらえるようになった気がする。最たるところでいうと、じつは私のアシスタントがモリモトのマンションを買ったの。結婚して『いつかは買おうかな』っていう感じだったのが、実際にこの連載を読んで“購入=終の棲家”という考えじゃなくなったというのがすごく大きくて。いろいろ、探し回った結果モリモトの物件に行きついたみたい。それは、本当に極端な例だけど、ほかにも、3年後に家を買うということを目標に頑張っている友人もいる。家は借りるよりも買ったほうが長い目で見るとお金だけじゃなく毎日の気分も得をするっていう、私が伝えたかったことがわかってもらえた気がして、純粋に嬉しかったな」

 

 

大日方「私の友達も、第3回が終わった時点で『くみちゃん私マンション買うわ』って連絡が来て。1人暮らしだけど3LDKを買える時に買うわ…って! 私の周りでは、バリバリ働いているシングルの女性から反響があって。そういう働く女性って、すごく賢いから、返済は月々どのくらいになるか、その場でパパっと計算して、即行動するんだよね」

 

白澤「第1回で少し話した、シングルの女性が買うと結婚できないという偏見もなくなってきてるよね。私たちの中では完全にないし、周りもそうなってきているんじゃないかな」

 

大日方「結婚することとマンション買うことって全然別の話だから。マンション持ってる女性に出会えた男性は本当にラッキー。なんて賢い子なんだって思うよ」

 

白澤「自分のこと、将来のこと、老後まできちんと考えている人なんだってわかるよね。私が男性だったらそういう子と結婚したい」

 

 

家を買うということを

知れば未来が変わる

 

最後に、改めて読者の方に伝えたいメッセージとは…?

 

大日方「本当に何回も言うけど、若くてチャンスがあるなら今すぐ買ったほうがいい! 家賃をただ払い続けるようなもったいないことをしないでほしい」

 

白澤「でも、それってすごく難しいことだよね。例えば、美容のことでいうと、20代のときに50~60代の人から『これだけはやっといたほうがいいよ』って言われてもピンとこなかったじゃない? 自分事になかなかできないんだよね。なんでもそうだけど家を買うことって調べればわかることだから、20代でも30代でも、若い人は特に、『自分にはきっと買えない』とか『まだ早いよね』とか、勝手な思い込みは排除して、まずは一度調べてみてほしいな」

 

大日方「何より、買ったらそこが最後じゃなくて、より良い家に出会うための初めの一歩だって知ると考えが変わると思う。買ったらそこに住み続けること自体が、今の生き方とはズレてきているよね。ライフステージが変わったときに、次の家に移るのは当たり前のことで、それでいいし、賢い人はそうしてるんだなって。それは私も勉強してわかったから」

 

白澤「いま、リアルタイムに読んでなくても、この連載を一気に読み返してみたときに気持ちが変わってくれる人がいるといいよね。家を買うことについて知れば、目の前に広がる世界は変わるはず!」

 

(取材&文・SUMAU編集部 撮影・古本麻由未)