Complicated Watch
気まぐれに羽ばたく美しい蝶が、
あなたの時を輝かせる
腕時計はもはや「時を知る道具」ではない。あなたの時間を豊かに彩り、輝かせ、ドラマチックなものに変える、美しく感動的なアート作品だ。名門時計メゾンは現在、この認識の下、かつてない美しさとメカニズムを持つ芸術的な腕時計の製作に取り組んでいる。これから、そんな作品を毎月、ひとつずつご紹介しよう。
Vol.1
『Van Cleef & Arpels Lady Arpels Papillon Automate watch』
ヴァン クリーフ&アーペル レディ アーペル パピヨン オートマタ ウォッチ
腕時計が実現する、
美しい蝶とのポエティックな時間
1906年にパリ、ヴァンドーム広場22番地に本店を構えたヴァン クリーフ&アーペルは、モナコ王妃グレース・ケリーやイラン王国のソラヤ王妃、ウインザー侯爵婦人、伝説のオペラ歌手マリア・カラスを筆頭に、世界中の女性たちを魅了し続けている「愛と幸福」のハイジュエリーメゾンである。
メゾンは1世紀に及ぶその歴史の中で、エポックメイキングなハイジュエリー作品を数多く創造してきた。さらにその情熱はハイジュエリーに留まらず、ウォッチメイキングにも注がれてきた。そんなメゾンが「ポエトリー オブ タイム(詩情が紡ぎだす時)」という構想の下、2006年から立ち上げたのが「ポエティック コンプリケーション(詩的な複雑時計)」という名のコレクション。つまり、いつもの時間を独自開発の複雑機構とハイジュエリーメゾンとして培った最高峰の職人技で「詩的な時間」に変える複雑機械式時計である。
そして、2017年の1月に高級時計の祭典「SALON INTERNATIONAL DE LA HAUTE HORLOGERIE GENEVE」通称「ジュネーブサロン」で発表されたのが、「レディ アーペル パピヨン オートマタ ウォッチ」だ(トップ画像)。
ダイヤモンド、サファイア、マザーオブパール、多彩なエナメル技法を駆使して製作された、月光に照らされる水辺のお花畑を描いた文字盤。時刻はその右上に長短2本の針で控えめに示される。そして文字盤の左には、花の上にそっと停まる美しい蝶の姿がある。そしてゴールドとプリカジュール エナメルで作られたブルー&パープルのこの蝶は、自然の蝶そのもののように、突如その2枚の美しい羽根を羽ばたかせる。
つまりメゾンは田園風景の中、優雅に気まぐれに羽ばたく自然の蝶の姿を、独自に開発したメカニズム「ランダム オートマタ モジュール」と最高の宝石素材と宝飾技法で、腕時計の上にこれ以上はないほど美しく再現したのである。
しかもこの蝶の動きは、着ける人の動きを反映したインタラクティブなものでもある。この腕時計を動かすエネルギー源は、あなたの動き。あなたがアクティブに活動すれば、ケース裏側から眺めることのできる、月と星が描かれた自動巻きローターも数多く回転し、動力源である主ゼンマイにより多くのエネルギーが蓄積される。そして蝶はこの蓄積されたエネルギー量に応じて羽ばたく頻度を変えるのである。
また、蝶の気まぐれを待つことなく、その優雅に羽ばたく姿をいつでも楽しむ仕組みも用意されている。ケース左下にセットされたプッシュボタンを押すと「オンデマンド アニメーション モジュール」が作動し、蝶が羽ばたきを開始するのだ。
あなたのために、あなたと呼応して気まぐれに、また望むときに優雅な羽ばたきを披露してくれる蝶が、あなたの時間を美しく優雅に、そしてドラマチックに彩ってくれるこの腕時計。一応、レディスモデルと位置付けられているが、この感動と喜びは、男女を超えて、美しい時を愛する人、求める人を魅了する。あなたも機会があればぜひ、この感動を体験してほしい。
Lady Arpels Papillon Automate watch
レディ アーペル パピヨン オートマタ ウォッチ
自動巻き/ダイヤモンドをスノーセッティングしたホワイトゴールドケース/ケース径40mm/ダイヤモンドをセットした同素材のベゼルとリュウズ/ブルーアリゲーターストラップ/シリアルナンバー入り。
予定価格 32,400,000円 (税抜)/ 34,992,000円(税込)
2017年冬 発売予定
問い合わせ先
ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク 0120-10-1906
11時〜19時(月〜金 祝祭日除く)
http://www.vancleefarpels.com/
(取材&文・渋谷ヤスヒト)
PROFILE 渋谷ヤスヒト
ジャーナリスト、エディター、メディアプロデューサー。モノ情報誌編集部員時代の1995年から現在まで、スイス2大時計フェアや国内外のあらゆる時計ブランドの取材を一貫して続ける腕時計のエキスパート。他にもクルマ、カメラ、家電、IT機器、ファッション、トラベル、食まで、国内外のあらゆるモノとコト作りの現場取材を続けている。